2022年1月13日(木)18:00
湯浅政明監督「犬王」塚本晋也がタイトルコールする新特報公開 原作者の古川日出男らからコメント
新特報の一場面
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湯浅政明監督の劇場アニメ「犬王」の新たな特報映像が披露された。特報内のタイトルコールを映画監督・俳優・ナレーターの塚本晋也が担当している。
同作は、南北朝~室町期に活躍した能楽師・犬王の一生を描いた古川日出男氏の小説「平家物語 犬王の巻」が原作のミュージカルアニメ。漫画家の松本大洋がキャラクター原案、「逃げるは恥だが役に立つ」の野木亜紀子が脚本を務め、犬王役をロックバンド「女王蜂」ボーカルのアヴちゃん、犬王とバディを組む琵琶法師・友魚(ともな)役を森山未來が演じている。初夏に全国公開。
特報映像では新たなカットが使用され、琵琶の音色と力強い歌声で民衆に熱狂を巻きおこす様子が切り取られている。
いち早く作品を鑑賞した原作者の古川日出男、脚本の野木亜紀子からコメントが寄せられた。コメント全文は以下のとおり。
【古川日出男(原作)】
これは映画のモンスターである。スクリーンがこれほど怪物的にうごめき出すのを、私はおそらく初めて観た。しかも、それらの「うごめき」はポップで、悲劇的なはずなのに徹底して楽天的で、要するに痛快な「しいたげられた者たちの反撃」なのだ。映像だけではない。音楽も、それからキャラクターたちの声もぜんぶ蠢動している。私は、原作の小説を書いたはずなのだけれども、そうした事実はすっかり失念してしまって、スクリーンに映し出される「世界」に唖然とさせられている。にもかかわらず、身体は反応してしまっていて、揺らされている。私はシェイクさせられている。いったいこれはなんなのか、と私は素直に思った。そして、回答はこのコメントの最初に記した。これは映画のモンスターである。これはアニメーションのモンスターである。これは音楽アニメーションのモンスターである。
【野木亜紀子(脚本)】
湯浅監督の鬼才たる所以を「どうだ!」と見せつけられ、ただただ驚愕するばかり。千尾のイルカが連なって、デッカい鯨が立ち昇る。ぽかんと見上げたこの私、遠い昔のあの場所で犬王の舞台を目撃した幸運な一人になってしまった。泣きたくなるようなアヴちゃんの艶やかな咆哮、腹に響く森山氏の確かな唄声、いつまでも何度でも聴きたくなる、麻薬のような音の波。帰り道は「♪デッカいく~じら~」と口ずさむこと請け合い。映画館で見ておけばよかったー! と後悔しないよう、彼らの失われた物語を、奪われた物語を、目撃する一人になってください。
作品情報
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京の都、近江猿楽の比叡座の家に一人の子どもが生まれた。後に室町時代の民衆を熱狂させる能楽師【犬王】。しかしその姿はあまりに奇怪で、大人たちは子の全身を衣服で包み、顔には面を被せた。ある日、犬王は...
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