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特集・コラム 2021年12月18日(土)19:00

【明田川進の「音物語」】第56回 「リボンの騎士」手探りの効果音づくりとアフレコで感じた重圧

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前回少しお話しましたが、「リボンの騎士」の効果音は虫プロのなかでつくっていました。「虫プロ効果団」とクレジットされていますが、田代(敦巳)氏、僕、浦上靖夫さん、月岡弘さん、小野瀬晃一さんがメンバーで、浦上さんはのちにAPUという音響制作会社をつくられています。

「ジャングル大帝」のときも動物のリアルな音を準備するため、小原秀雄先生という動物学の先生にお話を聞きにいったり、山階鳥類研究所までいったり、上野動物園にいって参考用の音を録らせてもらったりしていました。「リボンの騎士」だと馬の蹄(ひづめ)の音を録るために大きな砂場とお椀を用意して、パカッパカッとやっていたのが思い出深いです。生音という言葉がありますが、「リボンの騎士」ではできあがったフィルムを見ながらリアルタイムで効果音をつけています。アニメにどんな効果音をつけるのがいいのだろうと手探りでつくっていたところがあって、今あの頃の作品を見ると「もっとああいうふうにやっておけばよかった」と恥ずかしく思うところがいっぱいあります。

サファイア役の太田淑子さんは、「ジャングル大帝」でレオ役もやられていました。当時は今のように女の子役と男の子役を両方できる人が大勢いたわけではなく、太田さんは宝塚出身でNHK大阪放送劇団にもいた方だったのでぴったりでした。手塚治虫さんは幼少期を宝塚市ですごしていて、宝塚の華やかさに憧れていろいろと見ていたそうで、そうしたファンタジックさを「リボンの騎士」で描きたいという気持ちがあったはずです。僕も宝塚をよく見ていましたからサファイアのような境遇の人が男性としてふるまう物語にすんなり入っていけましたし、面白いところに目をつけられたなと思っていました。

チンク役の貴家堂子さんは、「リボンの騎士」とほぼ同時期にはじまった「サザエさん」でタラオ役を50年以上演じ続けています。チンクのようなキャラクターなら貴家さんの声をということで、決めこみで録らせてもらったらぴったりだったということだったと思います。「リボンの騎士」のキャスティングは豪華ですよ。メフィスト役の塩見龍介さん、王役の小林恭治さん、ナイロン卿役の納谷悟郎さん……シャルネ役などを演じた北村弘一さんは、その後も僕の作品でレギュラーのようなかたちで関わってもらっていました。

今振り返ると、当時は音響監督として一本立ちしたばかりで必死だったと思います。アフレコの最初の頃は、ベテランの役者さんから演技についての疑問をぶつけられても、きちっと答えることができないもどかしさがあって、おこがましくて「こうやってください」と言えない方もいました。やっていくなかでだんだんと役者が考えていることが分かり、話し合うことで相手が思っていることを一回すべて聞かせてほしいといったことまで言えるようになってきて、その頃から役者サイドのこちらへの見方が変わってきたように思います。徐々にベテランの人とも対等に話していけるようになり、そこからみんなで一体となってものをつくる醍醐味が分かってきて、さらにやる気になっていきました。

明田川 進

明田川進の「音物語」

[筆者紹介]
明田川 進(アケタガワ ススム)
マジックカプセル代表取締役社長、日本音声製作者連盟理事。日本のアニメ黎明期から音の現場に携わり続け、音響監督を手がけた作品は「リボンの騎士」「AKIRA」「銀河英雄伝説」「カスミン」など多数。

作品情報

リボンの騎士

リボンの騎士 0

舞台はシルバーランド王国。
サファイヤ姫は王子として育てられていますが、本当は女の子。
天使チンクのいたずらで女の子の体に男の子の心が入ってしまっ
たお姫様が誕生してしまったのです。
腹黒い大臣...

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