2019年5月1日(水)19:00
【かねやん的アニラジの作り方】第4回 テレビアニメとアニラジの関係
この記事が配信される日は5月1日。そう今日から「令和」がスタートしました。僕は昭和43年に生まれ、平成3年3月法政大学を卒業、平成3年4月ラジオ大阪に入社、平成30年12月ラジオ大阪を退社。平成31年1月株式会社ベルガモを創業しましたので、おおよそ僕にとって「昭和」は学生時代、「平成」はサラリーマン時代、「令和」はベルガモ時代となります。「令和」は僕にとってどんな時代になるのか、皆さんもわくわくするような気分で今日を迎えたのではないでしょうか。
さて、このコラムも4回目。前回 はインターネットの出現がアニラジにどういう影響を与えたのかについて書きました。このコラムもそうですが、会社を創業し、この4カ月間、自分がやってきたことを見つめなおすいい機会になっています。発見もありました。インターネットラジオのサービスを展開している会社として勿論、文化放送や響、音泉、それにラジオ関西から独立創業した植木(雄一郎)君の会社、シーサイド・コミュニケーションズがあることは知っていましたが、今回失礼ながらセカンドショットさんやあみあみさん、MFSさんなどアニラジを生業としている会社がこんなにあるなんて初めて知りました。「かねやん、この番組あみあみっぽい」とリスナーにいわれ、「はっ?」。
僕がこれまでいた民放AMラジオ局は、現存するラジオ局では1963年に開局した茨城放送と栃木放送以来、55年以上新規参入のない業界にいましたので、どんどん新規参入してアニラジが活性化していくのは素晴らしいことだと思います。これも広い意味でインターネットのおかげです。さらに最近相次いで登場しているスマホの音声コンテンツ配信アプリは成長によってはこれまでの常識では考えられない音声コンテンツを産み出す可能性があります。平成3年にラジオ局に入社した僕にとってこの30年はビジネス的にはほぼ守勢一辺倒で悔しい思いを散々してきましたので、人生の最後には「日本が音声コンテンツ大国になり、そしてその人気コンテンツのほんのひとつでいいから僕が携わったコンテンツがある」という状況になってほしい。それが僕の「令和」にかけるおもいです。
話が脱線しました。今回のテーマは「テレビアニメとアニラジの関係」です。そもそもアニラジですからテレビアニメーションの派生物です。スポンサーであるレコードメーカーやビデオメーカーがアニメの宣伝としてそのアニメに出演している声優がパーソナリティに起用したらこれが当たり、テレビアニメのスピンオフラジオドラマなどをCD化したら売れ、さらにキャラクターソングなんていう「なんでこの作品の主人公が歌を歌うのだろう?」という突っ込みどころ満載の展開も「売れる」という錦の御旗のもと、野原にけもの道ができ、踏み固められたのちに舗装道路になるがごとく拡大してきた分野です。ですから、ラジオサイドからするとアニメがどうつくられ、どう商売してるのか、実はあまりよく知りませんでした(今でもようわかってないやろ!という突っ込みが聞こえてきそうですが)。なんとなく2010年ごろから「DVDやCDが売れなくなってる」という話が聞こえてきていました。そんなとき、ある音響制作会社の社長さんから「テレビアニメに出資してみないか」というお話をいただきました。「ゆるゆり」という作品でした。正直今までお金をもらって番組をやってたのに「なんで金を払って番組をせなあかんねん」と思いましたが、これまでアニラジをずっとやってきて、もう一歩アニメと深く関わってみよう、またこれまでお金をもらうだけだとその作品がどんなヒットしても結局それだけという関係からアニメそのものの権利を取得しようとわずかな金額でしたが参加させてもらいました。
新人女性声優4人がパーソナリティをつとめる「ゆりゆららららゆるゆり放送室」は2011年7月スタート。僕としても絶対失敗できない仕事だったので番組スタート直後からイベントやお渡し会を計画しました。アニメの評判がどうなっているのかよくわからず、イベントのチケットを売りだしてもあまり芳しいスタートではなかったのですが、イベントの開催直前になって急に売れだしあっという間に完売。ラジオではあまり経験できないタイプの「当たってる」という感覚を体験させてもらいました。以来、何作かアニメの製作委員会に少額出資させてもらい、さらに「ゆるゆり」のラジオも5年にわたって継続。今も特番などで続いています。先ほど「『売れる』という錦の御旗のもと、野原にけもの道ができ、踏み固められたのちに舗装道路になるがごとく拡大してきた分野」と書きましたが、アニメの歴史はビジネス開発の歴史だということがよくわかります。おもちゃの販売促進の道具に始まったその歴史は、映像・音楽パッケージの道具となり、配信、海外、イベントと時代に合わせてその範囲を広げてきました。そのビジネスの最前線にラジオ屋がその一端を垣間見ることができました。もうダメだもうダメだとなりながらもどんどん拡大を続けるアニメ産業、僕なんかはそのなかで必死にもがく「製作委員会」を舞台にしたアニメをつくりたいぐらい面白い経験でした。
◆宣伝です。
◎新生ベルガモの第三弾オリジナルコンテンツ「なまらぶ♡」。北海道出身女性声優3人(小山百代・札幌、花井美春・千歳、早坂領晏・函館)がお送りする番組。STVラジオ、ニコニコチャンネル、ラジオクラウドで絶賛放送・配信中。9月28日、札幌STVホールで開催決定! 遠征組はとりあえず往復の足の確保を! 月額756円で番組をめっちゃ楽しめる「なまらぶ♡会員」を募集中!
◎ベルガモ5月の新番組はお笑いについて女性声優が真剣に語り合う「令和演芸批評」(山本麻里安・佐々木未来・関根瞳・野口詩央)。世代もキャリアも違うただ「お笑い」を愛するという共通点でのみ集められた4人の「笑いのない」真剣トーク! 目指すはM1の審査員! 5月10日スタート。毎月10、25日更新。月額756円でチケット先行や20分以上プレミアムコンテンツを楽しめる「ニコニコ演芸批評会員」を募集中!
◎「令和演芸批評」初の番組イベント「第1回令和大演芸批評会」 を開催決定。お笑いの聖地、あのビートたけしも舞台にたったという浅草東洋館で行います。ゲストに「関西からの刺客」松田利冴を迎えて、「お笑い」について語り合います。
◎「宮村優子・岩田光央おかわりできますか?」の番組イベントが5月11日に東京・王子の北とぴあで開催。ただいまチケット絶賛発売中。
◎ベルガモの最新情報はをチェック。かねやんTwitterアカウントは@kaneyanmamotan 。
かねやん的アニラジの作り方~体験的アニラジプロデュース論~
[筆者紹介]
兼田 健一郎 株式会社ベルガモ代表取締役社長(カネダ ケンイチロウ) 昭和43年大阪府生まれ。法政大学社会学部を卒業、平成3年ラジオ大阪に入社。報道部記者として大阪府警や国会を担当し、事件事故、55年体制崩壊を取材した。東京支社に転勤後一貫してアニメゲームゾーン1314V-STATION の番組プロデュースに携わる。編成企画部長、編成制作部長、東京支社長などを歴任。平成30年退社。日本の新しい音声コンテンツを創造する株式会社ベルガモを創立。
イベント情報・チケット情報
- 第1回令和大演芸批評会
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- 開催日
- 2019年6月2日(日)
- 時間
- 19:30開始
- 場所
- 浅草東洋館(東京都)
- 出演
- 山本麻里安, 佐々木未来, 関根瞳, …
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ゆるゆり (23) 特装版 (百合姫コミックス)
2024年12月24日¥1,320
-
ゆるゆり (23) (百合姫コミックス)
2024年12月24日¥814
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ゆるゆり (22) 特装版 (百合姫コミックス)
2022年12月26日¥1,320
-
ゆるゆり (1) 新装版 (IDコミックス 百合姫コミックス)
2015年06月18日¥748
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