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特集・コラム 2021年5月3日(月)19:00

【かねやん的アニラジの作り方】第25回 「エヴァンゲリオン」と私

「宮村優子・岩田光央おかわりできますか?」は50回を超えて絶好調配信中

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前回のコラムから僕の読書感想文シリーズをお届けすると宣言しながら2回目でいきなり変更します。ただし読書が趣味なので本はどんどん読んでいますので次回はまた読書感想文に戻します。今回はタイムリーな話題、今劇場で大ヒットしている「エヴァンゲリオン」のことについて書きたいと思います。
 とはいうものの、ネタバレ等はご心配なく。なんせ公開中の新劇場版を含め、今までこの作品のどのシリーズも1秒も見ていないし、持っている知識といえば、主題歌が「残酷な天使のテーゼ」、「惣流・アスカ・ラングレー」役を宮村優子が演じているということぐらい。そのアスカもエヴァの5キャラぐらい見せられたら、どれがアスカか答えられないでしょう。しかし、この「エヴァンゲリオン」に私の人生はきわめて大きな影響をうけています。正確には「エヴァンゲリオン」に大きな影響を受けた人達に私が大きな影響を受けているということでしょうか。
 まずはなんといっても宮村優子さんです。彼女は1996年10月にスタートしたラジオ大阪の「宮村優子の直球で行こう!」以来、僕のラジオマン人生にとって大変大きな存在です。「直球」は当時の上司から「宮村さんという声優が『エヴァンゲリオン』というアニメですごく人気があるらしい。この子をパーソナリティに起用した番組をつくるから兼田君も番組を売って(スポンサーをつけること)くるように」といわれたのが、彼女とのつきあいのはじまりです。当時僕はラジオ営業マンとしては新人で、まず代々木アニメーション学院に企画書を持っていったら「即OK」。普段はラジオの営業という本当にどこに話を持っていっても断られる困難な仕事なのにこんなに、即OKが出るなんて人気者を使う番組は強いんだなと素直にうれしかったのを覚えています。代アニさんはその後「直球」のメインスポンサーのひとつになってくれました。また番組がはじまったあとの11月、文化放送が「RADIO EVANGELION」という特別番組を企画。そのさいパーソナリティを務める庵野秀明監督が番組のパートナーにぜひ宮村さんを、という話になります。ただ文化放送の放送時間が日曜の夜の生放送、そして「直球」の放送時間も日曜夜の生放送と時間がもろかぶり。話し合いの結果、「直球」の時間をその週だけ、「RADIO EVANGELION」をネット受け(キー局の番組をそのままネット局がその時間に放送すること)することになりました。もちろんこっちがスケジュールを譲ったわけですから、いつも以上にいいお金を文化放送からもらいました。スケジュールを譲るだけでお金になる。20代だった僕は営業活動に夢中になります。その時はよくわかっていませんでしたが、「エヴァンゲリオン」という作品がその人気を支えていたんですね。宮村さんとはその後、「ゆる蔵、うれしいね」と番組を変え、実写映画「Vステ・ザ・ムービー EAT&RUN」の出演。さらに当時再婚されたご主人とともに大阪に来た時には僕も転勤で大阪におり、昼のワイド番組のアシスタントもやってくれました。ベルガモ創業にあたってもまず第1弾の番組をどうするか悩んだときに、やはり宮村さんにお願いすることにしました。その魅力的な声と2度の結婚離婚を経験した人生経験から繰り出される厚みのあるトーク。やはり僕が知る限り最高の声優パーソナリティだと確信しています。
 確か「声優グランプリ」の4月アニメ新番組特集を眺めていたら目に飛び込んできたのが「アベノ橋魔法商店街」という文字。「アベノってあの阿倍野? ならラジオ大阪で番組やるべきでしょ」と思い立ち、製作委員会の幹事社に企画書を書いて送りましたがなしのつぶて。あきらめていたころ、会社に「ガイナックスの武田さん」という方から電話。早速あってみると「うちが提供料をもつので『アベノ橋魔法商店街』のラジオをやりたい」という話。宮村さんとの付き合いの中で、何の面識もないながらガイナックスさんに親しみは持っていましたが、話を聞けば武田康廣さんも関西人。しかもガイナックスという会社は大阪芸術大学のサークルのメンバーが中心になってアニメをつくりたいがために起業した会社で関西のノリに満ち溢れた企業。「アベノ」でも楽しい番組がつくれました。でも「エヴァ」をつくった武田さんの話を聞くにつれ、アニメをつくりたいがために会社を起業するというバイタリティが「エヴァ」を作りだした一方、その同好会的ノリの企業が世界的大ヒットを生むことは経営的には大変なご苦労があったみたいで、のちの脱税事件や会社分裂など、エンタメという「人の情熱を金に換える」行為の難しさをいろいろ伺いました。武田さんとは年越し特番でともに年を越したり、「ガイナックス電波」という番組で鳥取米子公開録音をさせてもらったり、本当に楽しい仕事をさせていただきました。今もお付き合いをさせていただいていますが、いつの日かまた大ヒットアニメを作ってまた一緒にお仕事をさせていただきたいと思っています。
 話は変わって先日、ベルガモにアルバイト募集もしていないのに「アルバイト志望者」を称する方からメールがありました。僕はどんなご縁があるかわからないのでこの手の方にも一度はお会いすることにしているのですが、聞けば「宮村優子・岩田光央おかわりできますか」のチャンネル会員だという。平均年齢40代のこの番組、どんな年寄りニートが来るのかと心配していましたが、やってきたのは19歳の大学生。「なぜこの番組に興味をもったの?」と聞くと、父親が「エヴァ」のファンで、アニメを見てアスカに興味を持ち、声優宮村優子にたどりついたという。この作品はまた僕に新たな出会いをもたらしてくれました。

◆宣伝です。
◎ベルガモ公式YouTubeチャンネルが開設されました。各番組の無料パートをお楽しみいただけます。

◎ベルガモの最新情報は をチェック。かねやんTwitterアカウントは @kaneyanmamotan

兼田 健一郎 株式会社ベルガモ代表取締役社長

かねやん的アニラジの作り方~体験的アニラジプロデュース論~

[筆者紹介]
兼田 健一郎 株式会社ベルガモ代表取締役社長(カネダ ケンイチロウ)
昭和43年大阪府生まれ。法政大学社会学部を卒業、平成3年ラジオ大阪に入社。報道部記者として大阪府警や国会を担当し、事件事故、55年体制崩壊を取材した。東京支社に転勤後一貫してアニメゲームゾーン1314V-STATION の番組プロデュースに携わる。編成企画部長、編成制作部長、東京支社長などを歴任。平成30年退社。日本の新しい音声コンテンツを創造する株式会社ベルガモを創立。

作品情報

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