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特集・コラム 2019年3月1日(金)20:00

「ワンダーフェスティバル2019[冬]」会場で見たメーカーフィギュアのトレンド

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2月10日に開催された「ワンダーフェスティバル2019[冬]」。この造形に関する世界最大のイベントでは、最新のフィギュアが発表され、新たなトレンドが生まれています。今回は、「ワンフェス」からメーカーの完成品フィギュアのトレンドに関してまとめてみましょう。

既存タイトルとしてはやはり「Fate」シリーズが多かったのですが、新規の要注目タイトルもいくつかありました。その中でも特に「SSSS.GRIDMAN」。11月に開催された「ワンホビギャラリー」で展示されていたものからさらに増えています。

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グッドスマイルカンパニーとマックスファクトリーの「WONDERFUL HOBBY LIFE FOR YOU!!」ブースでは「SSSS.GRIDMAN」コーナーが設けられていました。早くからパネルで宝多六花と新条アカネのフィギュア化を発表していたPhat!は原型を展示(写真左上)。六花とあかねはfigma(写真右上。アカネもパネル発表あり)とねんどろいど(写真下)でも発売予定。

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同じく「WONDERFUL HOBBY LIFE FOR YOU!!」内「SSSS.GRIDMAN」コーナーにはグリッドマンのアクショントイに加えて怪獣の原型も。

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「WONDERFUL HOBBY LIFE FOR YOU!!」以外のメーカーでも「SSSS.GRIDMAN」を発表。プルクラも六花とアカネを展示していましたが、1/6スケールのもの(写真左上)に加えて等身大(写真右上)のものも! アクアマリンは水着の2人の原型を展示(写真左下)。キューズQはパネルでチアガールバージョンを発表(写真右下)しています。

前回の「ワンフェス」で最注目シリーズとしてお伝えした「POP UP PARADE」ですが、今回の「ワンフェス」では追加情報が発表されています。

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ラインナップとして前回発表済みのものでは、「Fate/Grand Order」「初音ミク」「キズナアイ」「ペルソナ5」「ノーゲーム・ノーライフ」などの塗装見本品や原型(写真下)が展示されていました。特に「ペルソナ5」は一挙に4点の原型(写真上)を発表!

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さらに「ワンパンマン」(写真左上、下)「ゴブリンスレイヤー」(写真右上)が新タイトルとして原型が発表されていました。現在発売中の「フィギュアJAPANマニアックス」のグッドスマイルカンパニー安藝社長インタビューでも言及されているのですが、「POP UP PARADE」は海外での展開を意識したシリーズです。追加された2タイトルも海外では非常に人気の高い作品で、海外のフィギュアのボリュームゾーンともいえる3000円台という価格帯。そして今回の「ワンフェス」ではこのシリーズの特徴がもうひとつ発表されていました。

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それが予約から実際に手にするまでの期間。予約から4カ月後にお届けできるとうたっています。現在のフィギュア、特にスケールフィギュアでは予約してから実際に手に入るまで半年以上かかるのが普通で、中には1年かかるものも珍しくなくなっています。
 フィギュアを製作するのにかかる時間は、より高いクオリティが求められるようになってから更に長期間かかるようになっているのですが、これはかなり特異な市場構造といえます。現在のようにテレビアニメが1クールで終わって次々と新作が発表される状態だと、実際にフィギュアが手に届いた頃にはもう次の作品へ興味が移り変わっているというのもありがちなこと。この予約から発売までの期間の短期化は、コアなフィギュアファン以外の層に対するアピールとしても有効な手段です。
 タイトル、価格、製造期間。いずれも海外のファン層の更なる開拓を意識し、さらに日本市場においてもライト層や若年層の開拓が期待できる仕様になっています。このシリーズは、市場の反応含めてこれからしばらくはその動向を注目したいところです。

「ワンフェス」会場を回っていたり、関係者と話したりしていて、まだトレンドとまではいえないものの、ちょっと気になる動きとして出てるなぁと話題になっていたのは、「POP UP PARADE」とは逆の方向の流れ。すなわちフィギュアのボリュームアップと高価格化です。それも、フィギュアの高価格化が止められないのであれば、もっと思いきった方向に振ろうとでもいうような流れなのです。
 もともと海外のフィギュアメーカーのアメコミや映画、アニメなどで、超巨大なフィギュアが5~10万くらいで限定500個という市場は存在しています。「ワンフェス」でもプライム1スタジオやFigurama Collectionなどがそういったフィギュアを展示していました。
 そういう方向性のメーカーとは違う、日本のフィギュアメーカーでもかなりの大物が出ているなぁというのが今回の印象。

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そのボリュームが大きな話題となっていたのが、アルターの「Fate/Grand Order」メルトリリス(写真上)。写真単体ではわかりにくいのですが、広がったドレスを含めてかなりスゴイことになっています。
 「WONDERFUL HOBBY LIFE FOR YOU!!」ブースでは、「カードキャプターさくら」(写真右下)と「初音ミク」(写真左下)はそのボリュームと造形密度の高さが目を引きました。グッドスマイルカンパニーは定期的に、その時点での最高峰といえるようなボリューム&クオリティのスケールのフィギュアをこれまでも発表してきています。いずれもその流れを汲んだフィギュアになりそうです。

この方向性に関しては、まだハッキリした傾向とは言いきれない印象での話なので(ただ、複数のメーカーの人や業界の人が同様の感想を漏らしていました)今後どうなっていくのかについては要確認事項です。

というところでメーカーについてはとりあえず、ここまで。次回は当日版権についてまとめられればと思っています。

島谷 光弘

ホビー&フィギュア トレンド

[筆者紹介]
島谷 光弘(シマタニ ミツヒロ)
フィギュア専門誌「フィギュアマニアックス」を企画・編集し、2000年頃からフィギュアが質、量、人気ともに拡大する10年以上の時期をメディア側で見続ける。現在はフリーでウェブ「ホビーマニアックス」の運営や、ホビー系のウェブやメディアで執筆中。

イベント情報・チケット情報

ワンダーフェスティバル 2019[冬] 1
開催日
2019年2月10日(日)
時間
10:00開始
場所
幕張メッセ(千葉県)

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