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特集・コラム 2019年12月16日(月)19:00

メガホビEXPO&ワンホビギャラリーで振り返る2019年のフィギュアトレンド、2020年イベントまとめ

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11月30日に秋葉原で開催された「メガホビEXPO 2019 AUTUMN」と、「ワンホビギャラリー 2019 AUTUMN」(ワンホビは12月1日も)。それぞれメガハウスと、グッドスマイルカンパニー&マックスファクトリーを中心とした新作フィギュアの展示会です。その会場の様子をレポートしつつ、今年のフィギュアについて振り返ってみたいと思います。

鬼滅の刃

アニメやコミックでも今年大きな話題となった「鬼滅の刃」は、フィギュア関係でも大きなムーブメントを起こしています。今年前半に出たプライズフィギュアがものすごい売れ方をしていると聞いたのが最初でしたが、同時期に発売されたフィギュアを含んだラインアップの一番くじも瞬殺、一番くじでは珍しく再販が行われ今月登場します。その後もプライズや一般販売フィギュアなど、いろいろなメーカーから続々と新作が発表されています。
 ワンホビギャラリーでは特に新発表はありませんでしたが(ねんどろいどでは炭治郎と禰豆子が発表済み)、メガホビギャラリーでは各メーカーが新作発表をしていました。

いち早くスケールフィギュアを発表したアニプレックスは、既発表の3体を展示。

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コトブキヤも同じく既発表の3人のフィギュアを展示。

メガハウスはてのひらシリーズ新作として発表されたばかりだった伊之助くんや、炭治郎くんと善逸くんの原型。

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メガハウスはG.E.M.シリーズの冨岡義勇も。

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ある意味いちばんのサプライズだったのは、アルターが「鬼滅の刃」のフィギュアを手がけることを発表したこと。アルターといえば、最新人気作を早く出すことはあまりせず、企画者や原型師のこだわりを活かしたフィギュア作りをするところなので、この発表は目を惹きました。もっとも取材してみると、ぜひ作りたいというスタッフがいたからという、アルターらしい理由でしたが。

「鬼滅の刃」新作フィギュア発表については、12月21、22日の「ジャンプフェスタ2020」が本番のはず。各メーカーからいろいろ出てくるのではないでしょうか。

「Fate」シリーズ

今年全体を振り返るとやはりいちばん強かったのは「Fate/Grand Order」を始めとする「Fate」シリーズ。新サーヴァントが続々と登場していますが、立体化も続々と発表されています。

ワンホビギャラリーのほうでは、グッドスマイルカンパニーがねんどろいどを展示。レースクイーン姿のサーヴァントもラインナップされています。

オランジュ・ルージュはねんどろいどやスケールフィギュア。

マックスファクトリーのfigmaでもレーシングバージョンのサーヴァントや「Fate/Grand Order -絶対魔獣戦線バビロニア-」、「Fate/Apocrypha」が登場。

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他にFREEingの1/12スケール水着フィギュアでセイバー/フランケンシュタインも。

メガホビEXPOでもさまざまなサーヴァントのフィギュアが展示されていました。

夏のワンフェスに参加していなかったアルターは、会場新発表がかなり多めになっています。ガウェインや私服宮本武蔵なども原型がよりブラッシュアップされて展示。

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パネルでもいろいろ発表。宮本武蔵は水着の第二再臨で。まるでデザインが異なる第一再臨や第三再臨もいずれどこかのメーカーから発表されるだろうと思われます。第三再臨をアルターが出す水着BBの他の再臨状態が他メーカーから発表されているように。

アルターの「FGO」では、メルトリリスが彩色されて初展示。写真だと比較対象がないのでわかりにくいのですが、これ、ものすごく大きいのです。FGO版のメルトリリスの白いドレスはもともとボリュームがあるのですが、それが大きくたなびくポーズでの立体化。

そして大きいといえばこちら。リコルヌのジャンヌ・ダルク〔オルタ〕がついに塗装された状態で初お目見え! 本体、ベース、旗ととにかく巨大ですが、原型師の石長櫻子氏のタッチを活かした造形はとても魅力的で、エポックメイキングなフィギュアになりそうです。
 こういった大きなフィギュアは海外、特に中国でも人気が高い模様。中途半端な価格よりもこういった思い切った仕様の方がという考え方もあるので、今後も増えそうなスタイルです。

アニプレックスはセイバーオルタの原型を展示。受注中の新作フィギュアも並べていました。

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plusoneのレースクイーンフィギュアで、ジャンヌ・ダルク&アストルフォが初展示。

ホビージャパンも各作品のサーヴァント+αを展示しています。

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コトブキヤはアナスタシアとカドック・ゼムルプスの原型。クリプターのフィギュア化はかなりレア。

メガハウスはおなじみのデフォルメシリーズに加えて、キングゥの原型。

その他

今回のメガホビEXPOは「ONE PIECE」のフィギュアシリーズP.O.Pの15年を振り返る展示も。

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その展示はフィギュアの進歩を感じさせてくれるものでしたが、それに加えてフィギュアの写真を使ったグッズという新しい商品も。これがどのように受け入れられるか、他のフィギュアシリーズでも可能性があるのかを含めて、ちょっと注目しておきたいアイテムです。

今年のまとめと来年と

会場でメーカーの人と話題によくなるのが、中国の工場の状況。コストは引き続きどんどん上がり続けているのですが、それに加えてクオリティや人材確保等、いろいろ難しくなっているようです。これについては、次回まとめたいと思っています。
 それと最近気になっているのが、アメリカのFUNKOの存在。これの勢いがますます増しているようなのです。以前ANIME EXPOレポートの際にも書きましたが(https://anime.eiga.com/news/column/figure_trend/109154/ )、POP!というデフォルメシリーズが想像以上にとんでもないことになっています。15周年を迎えたねんどろいどは1000種展示会(現在は1200種以上出ていますが)を行いましたが(https://anime.eiga.com/news/column/figure_trend/109789/ )、10年弱のPOP!は現状でトータル9000種以上、さらに年間で2000種以上出ていて、売上は更に上昇中なのです。しかも価格は10ドル程度と、驚異的&(他メーカーにとって)脅威的。日本ではほとんど未発売ですが、日本のアニメやゲームなども多数出ています。ANIME EXPOでいまひとつフィギュアの勢いがないと感じたのも、ひょっとするとこの影響なのかもとも思っています。こちらもまたいろいろ情報を集めて、いずれコラムを書ければ。

2020年は他ジャンル同様、定番イベント関係がかなり大変なことになりますが、こちらもまとめておきましょう。まず最大の造形イベント、ワンダーフェスティバルは2月の次は11月、そしてその次は21年2月となります。11月から2月があまりに期間がなさ過ぎて、当日版権がどうなるか、かなり不安なところ。
 当日版権ではトレジャーフェスティバルを引き継ぐ形で12月1日に東京ビッグサイトで開催されたキャラクターフェスですが、トレフェスでは例年開催されていた5月は開催なし(コミケが同時期に開催されるので会場が押さえられなかったと思われます)。次回は1年後の来年冬で調整中。夏にはオンラインのイベントをやると発表していますが、現状では詳細不明。

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メガホビEXPOの次回は例年の5月ではなく、8月29日というのが発表済み。発表はされてないようなので確定ではありませんが、ワンホビギャラリーも同時期開催になるのではないかと思われます。そしておそらく20年はその1回のみ。夏のワンフェスがない分、多数の新作発表の機会になりそうです。
 その他にも、例年8月のC3AFAは10月、例年9月の全日本模型ホビーショーは11月といずれも開催時期が大きくずれています。こういった開催時期や開催回数の変更がどういう影響を与えるのか、正直怖いところです。習慣的に購入しているものとか行っているイベントとかは一種惰性にもなっていて、ちょっとしたきっかけでやめることも多いので。

いろいろ状況が変化し続けているフィギュアジャンル、20年はどんなことが起こるのか怖くもあり、楽しみでもあり。当コラムや自サイト()、ホビージャパンでの記事やムックなどで追っかけていきたいと思っています。

島谷 光弘

ホビー&フィギュア トレンド

[筆者紹介]
島谷 光弘(シマタニ ミツヒロ)
フィギュア専門誌「フィギュアマニアックス」を企画・編集し、2000年頃からフィギュアが質、量、人気ともに拡大する10年以上の時期をメディア側で見続ける。現在はフリーでウェブ「ホビーマニアックス」の運営や、ホビー系のウェブやメディアで執筆中。

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