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特集・コラム 2018年10月18日(木)19:00

【前Qの「いいアニメを見にいこう」】第9回 「やがて君になる」なんですよ!!!!!!

(C)2018 仲谷 鳰/KADOKAWA/やがて君になる製作委員会

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「やがて君になる」なんですよ!! ……いやもう、第1話を視聴して以来、とにかく興奮冷めやらぬ状態です。「やがて君になる」略して「やが君」。とにもかくにも素晴らしい。

恋愛のもたらすキラキラとした高揚感に対する憧れは人一倍あるにもかかわらず、実際には「恋」という気持ちがどういうものかわからない高校生の女の子・小糸侑。そんな彼女が、自分と同じように、誰にも恋心を抱かないと思っていた先輩の七海燈子から、思わぬ感情を寄せられて……という作品の大枠は、ひとことでキャッチーにまとめるなら、いわゆる「百合もの」。しかしその、完全に間違いってわけでもないんですが、こういうジャンル分けって罠じゃないですか。作品の大事なところを取りこぼすというか。しかもこの作品、感情や人と人との関係性を安易にカテゴライズすることへの違和感を丁寧に描いてる。そんな作品をカテゴリー分けするなんて、そんな暴力的なことをやってもいいのかい!? そこに愛はあるのかい!? みたいな気分になるわけですよ。それに、百合好きには当然見てほしいけど、百合好き以外にも見てほしいんですよぉ~。百合というだけで敬遠しないでほしいんですよぉ~。そういう人ってときどきいるじゃないですかぁぁぁぁ……う~~ううう、あんまりだ……あァァァんまりだァァアァ(←めんどくさいヤツ)。

……ふう、ちょっと落ち着いた。映像面では、まずはなんといっても、キャラクターたちの心情を、光と影をコントロールすることで雄弁に表現する演出が素晴らしい。本作の制作を手がけるTROYCAといえば、創立当初から自社に撮影部門を置き、撮影には並々ならぬこだわりを見せてきたアニメスタジオ。今作でもホントに丁寧な仕事ぶりで、やや飛ばし気味の、自然光を思わせるソフトな光を作品全体の基調として、上品でリッチな雰囲気を画面にもたらしている。だからこそ、ここぞという場面での光のきらめきや影を強調した「濃い」表現が光るのだ。

2つめが「ポイントを抑えた特殊なショット」。手持ちカメラ風の主観ショットや、大胆なイメージシーン、時間経過や色彩をコントロールしたシーンといった特殊な表現が、主人公の心情に視聴者を寄り添わせるよう、丁寧に配されている。くわえて作画も美術も落ち着いた、練達の仕事ぶり。美術は設定の設計もしっかりしており、教室や廊下は大きなガラス窓から光が十分に差し込み、生徒会室も採光性の高いつくりだが壁と柱によって陽の光がほどよく遮られ、光と影のコントラストが生じやすいつくりになっている印象。細部まで目配りが利いていて、画面から目が離せない。映像に圧倒的な持続力がある。

昨今、アニメファンの作画・演出に関する目線、とりわけ日常的な場面を描いたそれに対するものはかなり厳しくなっているようだ。裏を返せば、行き届いたつくりの、上質なアニメが見たい……という欲求が、以前よりも高まっているように感じられる(映画「若おかみは小学生!」の盛り上がり方などを見るに)。「やがて君になる」も、そうした欲求に応える1本なのではないだろうか。まだ2話までしかオンエアされていない時点で、いささか性急かもしれないが、そんなことを感じた次第である。……あれ、なんか前半とトーンが違いすぎない? ま、まあ、それもこの連載の味ということで、ここはひとつ……。

前田 久

前Qの「いいアニメを見に行こう」

[筆者紹介]
前田 久(マエダ ヒサシ)
1982年生。ライター。「電撃萌王」(KADOKAWA)でコラム「俺の萌えキャラ王国」連載中。NHK-FM「三森すずことアニソンパラダイス」レギュラー出演者。

作品情報

やがて君になる

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