2024年4月26日(金)17:00
女子競輪アニメ「リンカイ!」キャストインタビュー第3回 高松絹早役・杉山里穂、熊本愛役・日向未南
1964年に廃止され、2012年に48年間もの断絶期を経て“ガールズケイリン”として復活した女子競輪。「リンカイ!」は、そんな女子競輪に情熱を燃やす少女たちの奮闘を描くメディアミックスプロジェクトで、23年春に始動して以来、ライブ番組の配信や各地で開催される競輪レースとのコラボレーション、ブース出展など、さまざまな形で展開してきた。
そして、満を持して4月9日からテレビアニメの放送がスタートする。今回は、高松絹早(香川・高松けいりんがホームバンク)役の杉山里穂、熊本愛(熊本・熊本けいりんがホームバンク)役の日向未南に収録の舞台裏を聞いた。
――まずは、ご自身が演じる役についてご紹介いただけますでしょうか。
杉山:私が演じる高松絹早は、OLからヨガインストラクターのお仕事を経て競輪選手になったという異例の経歴の持ち主。見た目はスタイリッシュで髪も短くカッコイイ印象ですが、裏腹にメンタルの弱さを抱えています。そのギャップがとても人間らしくて大好きです。
日向:私が演じる熊本愛さんは第1話で初めて生の競輪を見て、そこから競輪をやってみたいなと思い、そのまま突っ走っていくキャラクターです。やると決めたことにはなりふり構わず突っ走っていくような情熱をもった、すごく熱い人だなと思っています。
――ご自身と役の間に、共通点や共感するところはありますか。
杉山:メンタルが弱いところですね。元気なので精神的に強く見られることが多いのですが、くじけるときはガラスのハートなんです(笑)。実は繊細なところも、すごく私に似ているなって思います。
いろんな職業を経験しているというところも共通点ですね。私自身、声優になる前にはアニメの制作進行の仕事をやっていたんです。イベントのMCやステージモデルも経験してきたので、共感できるところが多いキャラクターです。
日向:私と愛さんに、似ているところはあまりないですね。ただ、私も声優になりたいという一念でここまで来たので、競輪に対するがむしゃらな姿勢には共感します。
――役を演じるにあたって心がけたことはありますか。
杉山:収録に入る前にプロデューサーから、キャラを作るのではなく「生きてほしい」と言われました。型にはまったキャラクターになりがちだと思うのですが、そうではなく“ひとりの人間”を表現してほしいと。こんなに熱いことを言ってくださって、すごくうれしいなって思いました。私は舞台でもお芝居を学んだので、舞台に近い“生っぽさ”を心がけました。
日向:愛さんは競輪に対してがむしゃらですが、台本からはそれだけではなく友だち思いなところも感じられました。周りへの気づかいを惜しまない子だと思ったので、そこは演じる上でのポイントでもありました。
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――ご自身と競輪の、これまでの関わりについて教えていただけますでしょうか。
杉山:本作品を通じて、初めて競輪に触れました。作品を通じて、たくさんの感動が詰まった胸に響くようなスポーツだということを知ることができて、とてもうれしかったです。私はプロのスポーツ選手の方々と交流したのも今回が初めてで、競馬や競艇と違い生身の体ひとつで挑戦するので、自己管理がとても大変な競技なのだと教えていただきました。お恥ずかしい話ですが、選手の方にお話をうかがったときには、そのストイックさに感動して涙が止まらなかったんです。
日向:私も生の競輪の試合を見た時には泣きました。自分には縁遠い人たちが争っている試合なのに、どうしてだろう? その人たちの背景も知らないのになぜだろう? と思うのですが、ゴールの瞬間に命をかけているのを感じてウルッと来てしまいました。
――収録現場で印象深かったエピソードはありますか。
杉山:毎週収録後に、みんなでご飯に行きました。役者同士すごく仲がいい現場なのですが、スタッフも一緒に(笑)。私はコロナ禍の前後からアニメの現場に入らせていただいたので、こんなに仲良くさせていただいたのはほとんど初めての経験でした。やっぱり役者やスタッフとの関係性って、お芝居ににじみ出てくるものなんですね。私たち自身がどんどん仲良くなっていくのが、作品に反映されていくのがとても印象深かった、というか楽しかったです。
日向:私は熊本愛選手にとってすごく大事なエピソードの時に体調を崩してしまい、キャストのみなさんと一緒に録ることができなかったことがあって、それがとても悔しくて心残りに思っていました。でも、ちょうどその時にいただいた「リンカイ!」のカレンダーに、キャストのみんなが「早く元気になれ!」って励ましの寄せ書きを書いて私にプレゼントしてくれて。それがすごく思い出深いです。
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――アニメの見どころや、注目してほしいポイントを教えてください。
杉山:高松について言うと、彼女なりに成長する場面があるので、そこを見ていただきたいですね。私は原色っぽい、赤とか青とか色味がはっきりとしたお芝居が好きなんですよ。でも高松を通すと、そうはならなかったんです。どうしてもちょっと薄い赤とか、ちょっと濁った青みたいな色しか出てこなくて。それが釈然としなかったので、何百回もボイスレコーダーで録った声を聞きながら試行錯誤しました。でもやっぱり、思ったようにはいかなかったんです。そんななか、高松がまだ競輪選手として生きていく決意ができていない、迷いがある子なんだと気づいた時に、その色でいいんだなって思えました。これまで出したことのない音だったので「本当にこれで大丈夫なのかな?」という不安を抱えながらも、第1話の収録のときに提示してみたら、それでOKをいただきました。
そして彼女が大きく成長するエピソードで、初めて原色のお芝居ができたんです。でもスタッフさんは意地悪だから、その展開をあらかじめ教えてくれなかったんですよ(笑)。私が高松といっしょに試行錯誤しながら成長していく、というのも計算のうちだったみたいです。実は、そのエピソードを読んだときに感銘を受けて、お芝居をもっと確かな色にしたかったので、収録の直前に無理やり時間を作って、夜行列車に飛び乗ってエピソードの舞台になる高松競輪場に行ってしまいました。初めて寝台列車に乗ったんですが、寝床が固くてしかもすごく寒い(苦笑)。でも、高松が成長する場所の空気を肌で感じられたことは、大きな収穫になったと思っています。
きっと、視聴者の皆さんのなかにも「このままでいいのかな?」と、今の自分に迷っている方はたくさんいると思います。そんな悩みのなかで答えを見いだそうともがいている子が高松だと思うので、一緒に共感して彼女なりの成長を見守っていただきたいなと思っています。
日向:私も先ほど里穂さんが言ったように、個性的な選手それぞれがどんなものを胸の内に抱えながら、競輪と向き合っていくのかというところに注目していただきたいです。
――最後に今後の「リンカイ!」プロジェクトに対する期待や意気込み、視聴者のみなさまへのメッセージをいただけますでしょうか。
杉山:女の子がいっぱい登場するから、かわいくて癒される作品なのかな? と思われる方もいらっしゃると思うのですが、本当に熱い作品です。それぞれの話数で共感できたり感動できたりするシーンがたくさんあるので、冗談抜きで全世界の人に見ていただきたいです。視聴者の皆さんに、本作を通じて競輪に興味をもってくださったら、ぜひ競輪場に足を運んでほしいという希望・願望・野望もあります。一緒に「リンカイ!」と競輪を盛り上げていきましょう!
日向:何かを目指して頑張る人にはきっと支えになる作品だと思います。私も「リンカイ!」の話で救われたところがあるので、そういう方にぜひ見ていただきたいです。
アニメ「リンカイ!」インタビュー特集
[筆者紹介]
アニメハック編集部(アニメハックヘンシュウブ) 映画.comが運営する、アニメ総合情報サイト。
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