2016年11月26日(土)22:00
香川の雰囲気を再現していくぞという意気込みで―― 「うどんの国の金色毛鞠」宅野誠起監督インタビュー
(C)篠丸のどか・新潮社/「うどんの国の金色毛鞠」製作委員会
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父の死をきっかけに郷里に帰った青年・俵宗太が、小さな男の子に化けたタヌキのポコや地元の友人らと過ごす日々を描く「うどんの国の金色毛鞠」。主な舞台となる香川県の自然豊かな風景や観光名所が、綿密なロケに基づいて描き出されており、本編後のミニコーナー「ガオガオちゃんと青い空」や、香川県出身俳優で、「うどん県副知事」の要潤による次回予告など、バラエティ感のある楽しい作りも魅力のひとつだ。特定の場所を舞台にした本作を作る際に苦労している点や、作品に込めた思いなどを宅野誠起監督に聞いた。
――最初に原作の漫画を読まれた印象はいかがでしたか。
宅野:群像劇とまではいきませんが、色々なキャラクターの人生を描いている作品だと受けとりました。そのなかで、主人公の(俵)宗太にはとくに感情移入できて、自分に近いところがあると感じました。連載中の原作を1クールのアニメとしてまとめるにあたって色々な方向性があったと思いますが、自分としては宗太を軸にもっていきたいという気持ちが強くありました。シリーズ構成の会議のときもそのような話をさせていただきましたし、各話の絵コンテを直すときも、宗太の感情の流れのようなものをとくに意識しています。
――普通の人の日常を描くという部分はどう思われましたか。深夜アニメの枠で、こうした現実に即したドラマを描くのは勇気がいったようにも思います。
宅野:原作に描かれている大事なところですから、やるからにはあまり商売っ気に走らず、きちんとドラマをやっていこう。そうすれば観た人もついてきてくれるのではないかという気持ちはありました。舞台は香川という特定の場所ですが、そこに描かれているのは家族や故郷、自分の仕事や子どもについてなど、普遍的なものです。それらをきちんと描くことができれば、香川だけでなく、日本全国、色々な世代の方に届くのではないかと思っていました。
(C)篠丸のどか・新潮社/「うどんの国の金色毛鞠」製作委員会
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――香川県の風景や建物などは、最初からロケハンをしてきっちり再現していこうと思われていたのでしょうか。
宅野:原作を読むと、篠丸(のどか)先生が緻密にロケをし、描いていることがすぐにわかりました。その作品をアニメ化するにあたって、我々もちゃんとロケをして作っていこうというのは最初からありました。徳島県のマチ★アソビや香川のRNCラジオまつりなど、宣伝のためのイベント参加なども兼ねながら、私自身、香川には4回足を運んでいます
――初めての香川県の印象はいかがでしたか。
宅野:自分が九州出身だからだと思いますが、観光名所などは別として、街並みなどは自分の故郷とそんなに変わらないなという印象でした。ただ、山がとがっているというか独特な形をしていて、そこは違うなと。あと、個人的に港町にはすごく憧れがあったので、高松の港に行ったときには「ああ、港町だなあ」と新鮮に思いました。
――作品の舞台になる場所は、一通り足を運ばれたのでしょうか。
宅野:そうですね。実際に行ってみると、写真だけではわからない部分が見えたり、光の方向がわかったりしました。4話にでてくるかずら橋などは、写真だと普通の橋にみえるんですが、実際に橋を歩くと、けっこうなすき間がある。そうしたディテールや、こんな風にキャラクターが移動したんだという導線がわかりやすかったのは大きかったです。
(C)篠丸のどか・新潮社/「うどんの国の金色毛鞠」製作委員会
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――本編後の「ガオガオちゃんと青い空」も楽しく拝見しています。
宅野:有り難うございます。原作の中にガオガオちゃんというキャラが登場していて、ガオガオちゃん体操の振り付けなども描かれていたので、これもアニメにして、着ぐるみも作ろうかという話は早くからありました。それをもっと押すために、独立したミニコーナーとして作り、真面目なドラマのあとに口直し的に観てもらおうと。ポコのような幼児が好きものということで、絵本のような絵柄にしています。お話もやるならきちんとやろうと、シリーズ構成を立てて、本編ともからんだ話になるようにしています。
作品情報
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