2015年8月14日(金)20:00
「攻殻機動隊」25周年リレーインタビュー Production I.G 石川光久 後編 「新劇場版」で生まれた種を体感してほしい (2)
「攻殻機動隊 新劇場版」では、監督に野村和也氏、総作画監督に大久保徹氏が抜擢された。その伏線には、2人がタッグを組んで作った「劇場版 戦国BASARA -The Last Party-」がある。「エンターテインメントとはこういうものだ、というものをきちっと作る」野村監督と、「若者にうける艶のあるキャラクターを描く」大久保氏に、石川氏は大きな期待をよせる。
「これからの時代を背負っていく伸び盛りな人は、正直なところ、そんなにはいないと思うんです。だからこそ、そうした人だけが限界に挑戦する資格があるとも思うし、限界をクリアしないと分からない道というのがある。制作中は並々ならぬ苦労があったと思いますが、よく越えてくれたなっていう感謝の気持ちと、やはり時代を背負っていく人間は違うんだなと思い知らされた思いがあります」
「攻殻機動隊 新劇場版」が完成して、石川氏の中に「新しい種が生まれた」という感覚が芽生えたそうだ。
「これまで『攻殻機動隊』を作ったあと、また作りたいと思ったことは一切なかったんです。押井さんのときも神山さんのときも、制作後はこれで卒業だという感覚があった。今回初めて、新しい種ができた以上、これはもっと育てなければいけないなと感じたんですよね。そのためにも『攻殻機動隊 新劇場版』により多くの人に観てもらいたいなと強く思っているんですよ。僕が感じた種を、皆さんにもぜひ体感してほしい。劇場公開では、まだ『攻殻機動隊』を好きな人しか観ていただけていないはずです。今後、ソフトになってより多くの人に観ていただくことで、この新しい種を育てていって、花を咲かせてもらえたらと思っています」
歴代の「攻殻」監督がそろった25周年オールナイトイベントで、押井守監督は「攻殻機動隊 新劇場版」を好意的に評したという。
「お世辞じゃなく、正直な気持ちを言ってもらえたんじゃないですかね。押井さんに褒めてもらえて、スタッフは凄くうれしかったんじゃないかと思います。(トークショーで押井氏が監督をすることに意欲を示していたことをうけて)だからといって、仮に次の『攻殻』をやるとして、押井さんにお願いするかっていうのは全然別の話ですけどね。押井さんがやることだけはない気がします。押井さんにやらせちゃいけないなって、僕のゴーストがささやくんですよ(笑)」
最後に、25周年をむかえた「攻殻機動隊」を振り返って、変わったところ、変わらないところを聞いた。
「変わったなと思うのは、我々を取り巻く環境ですね。『攻殻機動隊』で描かれたネットの世界や光学迷彩といった、当時ほとんどの人になじみがなかったことがどんどん現実感をましている。現実の方が近づいてきているという意味で、変わったのではないかなと。変わらないのは、士郎さんが25年前に作った設定ですね。リアルで、強度があって、時がたっても色あせない。そして、人間の心や行動パターンのようなものも不変で、過去であろうが未来であろうが変わらない。そこをきちんと描いて、ドラマが作れているのが『攻殻機動隊』の面白さなんだと思います」
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