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インタビュー 2018年8月1日(水)20:30

“新海誠愛”にあふれる「詩季織々」 竹内良貴監督&堀雄太Pが語る、中国との共同制作の舞台裏

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新海誠作品などを手がけるコミックス・ウェーブ・フィルム(以下、CWF)が、中国のアニメブランド「Haoliners(ハオライナーズ)」とコラボレーションしたアニメーション作品「詩季織々」(8月4日から3週間限定公開)。新海誠作品の大ファンであるリ・ハオリン監督のラブコールで実現した、日本と中国の若い才能によって紡がれた3つの短編は、どのようにつくられていったのだろうか。CWFの堀雄太プロデューサー(写真右)と、短編の1本「小さなファッションショー」ではじめてオリジナル作品の監督を務めた竹内良貴監督の2人に制作の経緯を聞いた。

取材・構成/五所光太郎(アニメハック編集部)

――おふたりのプロフィールを聞かせてください。

竹内:僕はもともとCGの専門学校にいっていまして、そのときに講師としてデッサンを教えてもらったのが、「雲のむこう、約束の場所」の美術をされている廣澤晃さんでした。廣澤さんからCWFに誘っていただき、「秒速5センチメートル」の途中までは背景美術を担当していました。「秒速(5センチメートル)」では新海監督が途中までCGをやっていたのですが、僕がCGもできるからと引き継いで担当することになりました。最近はずっとCG担当で、CGチーフなどの肩書きもつくようになり、今にいたる感じです。

堀:僕は物理系の大学出身ですが、もともと映像は好きで、映画館でアルバイトなどをしていました。いざ就職というタイミングで、やはり映像の仕事をしたいと実写系の映像の専門学校に入りなおし、その後は実写の会社に勤めていたのですが、アニメのほうが面白いのではと思うようになり、CWFでお世話になることになりました。最初は「言の葉の庭」の制作進行を企画当初からやって、その後は「Peeping Life」や「旅街レイトショー」でプロデューサーをやらせていただきました。「詩季織々」では3人のプロデューサーがクレジットされていて、中国側のプロデューサー、日本側で制作現場を担当した者、僕はそれ以外の担当として立っています。

――「詩季織々」の企画が生まれた経緯をあらためて聞かせてください。リ・ハオリン(※李豪凌)監督から熱烈なオファーがあって実現したそうですね。

堀:2013年に「言の葉の庭」を中国展開するさいに、弊社代表の川口(典孝)が上海に行ったんですよ。そこではじめてリ・ハオリン監督らと出会い、一緒にやってみませんかとの依頼はありつつも、そのときはちょっとタイミングがあわなくてお断りすることになりました。ただ、その後も、リ・ハオリン監督は仕事で来日するたびに僕らのところに紹興酒をもって遊びにこられていました。そんな友好的な関係でいたところ、たしか2015年7月に、リ・ハオリン監督が率いるHaolinersと協力関係にあるテンセントさんが主催するコンテストがあって、川口と僕の2人で中国に行くことになったんです。ちょうどそのときは「君の名は。」の制作中だったのですが、現地で彼らと会食をするなかで、制作が終了したら(制作)ラインが空くから、とりあえず何かやってみましょうかという話になり、企画が動き出したのが最初になります。

――「君の名は。」公開前から、具体的につくりだす話になったのですね。

堀:実際に動き出して、「衣×食×住×行」のテーマで3本の短編をつくろうというかたちで固まってきたのが、3年前の冬ぐらいになります。

――短編の1本を、日本の竹内監督が手がけられることになったのには、どんな経緯があったのでしょうか。

竹内:僕が監督に決まったのは、だいぶあとのことなんですよ。

堀:企画をもってきた、リ・ハオリン監督が最初に自分の作品をつくりたいという話がまずあって、同じぐらいのタイミングでイシャオシン(※易小星)監督の名前もあがりました。もう1人の監督をどうしようとなったところで、日本側も監督をたてさせてほしいという提案をリ監督に快諾いただき、竹内さんに決まったという経緯です。

――竹内監督は、いつか監督をやってみたいというお気持ちがあったのでしょうか。

竹内:自主制作などもやっていましたので、チャンスがあればとは思っていました。自主制作では、なかなか長尺のものはつくれませんし、お金もかかりますので、こんなチャンスはないだろうと、いくつか企画をださせてもらいました。

――最初から、姉妹でファッションショーをする内容だったのでしょうか。

竹内:そうですね。細かい内容はわりと変わっていますが、タイトルも企画書のときのままです。つくっているときにいろいろ考えたのですが、結局このタイトルがいちばん肝になるものでしたので。

(C)「詩季織々」フィルムパートナーズ

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――短編3本のオムニバスで、ここまで見事にコンセプトやテイストがまとまっているのは珍しいなと思いました。さきほど堀さんが言われた「衣×食×住×行」のテーマもそうですし、登場人物も「陽だまりの朝食」ではひとりのモノローグだったのが、2人、3人と増えていき、親子愛や兄弟愛のようなさまざまな愛情も描かれています。どんなふうに、全体のバランスを考えていったのでしょうか。

堀:ありがとうございます。もともとのコンセプトとして、中国側からは配信として短編1本ずつをだしていこうという話だったんですよ。その後、中国以外の権利を弊社で預かり、日本側ではどう展開していこうかというときに、東京テアトルさんにお声がけしたら上映していただけることになったんです。となると、やはり1本にまとめないといけなくなり、作品のつながりや音楽をどうしようといったことを、いろいろと検討した結果が今のかたちになります。絵については、とくに美術を描いているのは社内の人間なので、大きな心配はなかったのですけれど。

竹内:そうですよね。絵の統一は、自然にとれるかなと思っていました。

堀:お話がうまくまとまっているのは、制作が最後のほうだった竹内監督の「小さなファッションショー」でうまくまとめていただいたところが大きかったのではないかと思います。

竹内:たしかに、ある程度、自分のところで調整できるかなと思いながらつくっていたところはあります。内容的に、「上海恋」や「陽だまりの朝食」とあまり被らないほうがいいだろうと気を遣いつつも、自分自身がやりたいことを盛り込んでもいますし、どちらの方向にもふっている感じです。

堀:そのうえで上映の順番などもいろいろと検討し、アンソロジー作品として、いいかたちに落ち着いたのではないかと思っています。

――リ・ハオリン監督は新海監督の大ファンだと公言されていますが、「上海恋」を見ると、新海作品へのオマージュにあふれていることが伝わってきます。本当にお好きなのだなと。

堀:はい(笑)。

竹内:もともとの企画から恋愛はありましたよね。

堀:今のかたちに落ち着く前に、別の企画案もでていたのですが、そのときから恋愛要素はふくまれていました。「少年少女による上海での恋愛」というモチーフは、リ・ハオリン監督が最初からもっていたものだと思います。絵コンテもご自身が描かれていて、それを見た僕らも「ああ、『秒速』っぽいね」という感想はでていましたし、こちらが何か言うまでもなく、向こうからああいうものがでてきたんです。

――「陽だまりの朝食」のモノローグで話が進んでいくところも、初期の新海作品っぽいなと感じました。

堀:それは、たまたまかもしれません。「陽だまりの朝食」には、イシャオシン監督が書いた原作がもともとあって、ウェブで公開した小説かエッセイのようなものがあるんですよ。その中にイシャオシン監督がご自身を投影したキャラクターがでてきて、自分の過去を振り返って喋っているという形式でした。なので、新海作品を意識したからではないのではないかなと。

――竹内監督は、新海作品について意識はされましたか。

竹内:僕は、むしろ違う部分をだしていかないといけないと思いました。とっかかり自体は、テーマが「衣」だから、ファッションショーだろうという安直なところからはじまっているのですが、そこに姉妹をからめて家族の愛情のような要素もいれることで、ふくらませていきました。

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詩季織々

詩季織々 Check-in6

【陽だまりの朝食】北京で働く青年シャオミンは、ふと故郷・湖南省での日々を思い出す。祖母と過ごした田舎での暮らし、通学路で感じた恋の気配や学校での出来事...子供時代の思い出の傍には、いつも温かい...

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