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インタビュー 2018年8月1日(水)20:30

“新海誠愛”にあふれる「詩季織々」 竹内良貴監督&堀雄太Pが語る、中国との共同制作の舞台裏 (2)

「上海恋」

「上海恋」

(C)「詩季織々」フィルムパートナーズ

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――公式コメントに、「広州の街中を歩き回りました」とありましたが、竹内監督や美術スタッフの方々は、舞台の都市にロケハンに行かれているのでしょうか。

竹内:ロケハンには都合2回行きました。1回目はプリプロ、2回目は美術背景のために行って、2回目のときは舞台となる場所の写真をいっぱい撮りました。

堀:「上海恋」は、最初からつくることが決まっていたので、上海には社員旅行も兼ねてスタッフみんなで行きました。「陽だまりの朝食」の舞台に行ったのは、たぶん僕ぐらいだと思います。現代のシーンにでてくる北京と、幼少期のシーンにでてくる湖南省にも足を運んで、昔の写真をお借りしました。

竹内:基本的には、作中にでてくるところは実際に足を運んだ場所を描いています。「小さなファッションショー」の舞台は大きな川沿いにありますが、そういった風景もすべて現地のままです。ファッションショーの会場などは創作しているところもあります。

――実際に足を運ばれて、日本と違う点などはありましたか。一見、大きく変わったところはないように見えました。

竹内:そうですねえ……。中国のほうは若干インターナショナル的な雰囲気があるかなという気はしました。海外から入ってくるものを、そのまま使っているといいますか。日本の場合だと、一度日本文化に突っ込んでから使うようなところが多少あると思うのですが、中国の場合はダイレクトにでているような印象でした。広州の街も、そういったインターナショナルな部分が色濃くでた国際都市である感じをうけました。

――制作体制についてもうかがわせてください。「上海恋」には、アンサー・スタジオさんが制作協力としてクレジットされていますね。

堀:そうですね。3本はつくった時期がバラバラでして、できあがったのは「上海恋」「陽だまりの朝食」「小さなファッションショー」の順番でした。それで、ちょうど「上海恋」制作のときは、アンサー・スタジオさんに手伝っていただけたという感じです。
 制作で大変だったのは、やはり言語の問題でした。2人の監督が中国人ですから、彼らの意図するものをどうくみとればいいのか。また、イシャオシン監督は実写の監督なので、「目指しているディテールを表現するために、具体的にどうすればいいのか」といったことをくみとるのが非常に難しかったと、現場からは聞いています。

――中国の監督とのやりとりは、スカイプなどを使ったのですか。

堀:リ・ハオリン監督は吉祥寺にご自身のスタジオをもたれていて、月の半分ぐらい日本にいるんですよ。なので、タイミングがあえばこちらまで来ていただいて打ち合わせができたのですが、イシャオシン監督は北京を拠点に活動されているので、めったなことでは日本に来られません。連絡も、彼のアシスタントからハオライナーズを経てこちらにくるという、間に何人も入ってのことになるため、言葉の問題などがいろいろあったと思います。

「陽だまりの朝食」

「陽だまりの朝食」

(C)「詩季織々」フィルムパートナーズ

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――中国の監督と一緒に仕事をして、日本とは違ったこだわりや新しい視点を感じることはありましたか。

竹内:たしかに、こだわるポイントが違う感じはうけましたね。いい仕事をされているなと思いました。

堀:画面的な問題としては、細部のどこまでこだわるかという意識が、僕らとは違うところがありました。例えば、僕らはここまで描かないけれど、向こうは欲しがる部分があったりして。そのあたりは、うまくすりあわせていかなければいけなかったところでした。
 最初にお話しした2015年7月に訪中したときに、向こうのスタジオを見学させていただいたのですが、日本では絵コンテでカットが決まってつくりはじめたら、よほどのことがないかぎり、そのままいくのが筋ですよね。それが中国では、急に変わるのが珍しくないみたいなんですよ。

――そうなんですか。

堀:今回も、作画が進んでいるときに、「ちょっとこういうふうに変えられないか」との相談もあったりして、そのあたりの折衝はいろいろやっていた感じです。制作の過程では、そうした細々としたことがいろいろありました。

――竹内監督の「小さなファッションショー」では、総監督でもあるリ・ハオリン監督から何か要望などはでましたか。

竹内:基本的には自由にやらせていただいた感じですが、中国の文化的なところなどで、指摘をいただいたところはありました。例えば、「中国人は、そんなにお辞儀をしません」とか、そういうところは指摘をうけてから、気をつけました。普通に描いていると、ついついお辞儀をさせたくなっちゃうんですけれど。

――ほかに、制作中にご苦労されたところはありますか。

竹内:基本的に、つくっているスタッフは3本とも全部一緒なんですよ。なので、前の2本がずれていくと、そのしわ寄せは僕のところにやってきます(苦笑)。そのあたりのやりくりが大変でした。いちばん最後に完成したのは僕の短編ですが、ほかの2本もけっこう後ろのほうまでやっていましたから。

堀:均等にスケジュールがあって制作していたわけではなく、いろいろあったなかで、やりくりをしながらつくっていきましたので、そのなかで竹内監督には苦労をかける場面が多かったと思います。

「小さなファッションショー」

「小さなファッションショー」

(C)「詩季織々」フィルムパートナーズ

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――「小さなファッションショー」には、脚本に永川(成基)さんという方が入られていますね。

竹内:永川さんは、「彼女と彼女の猫」のテレビアニメ(※「彼女と彼女の猫 -Everything Flows-」)の脚本をされている方で、それを見てお願いしました。いろいろアイデアをだしてくださって、スティーブをつくってくれたのも永川さんでした。姉妹のあいだで話を転がしていくうえで、すごく便利なキャラなんですよ(笑)。永川さんにお願いして、とてもよかったです。

――初監督作品として、できあがったものをご覧になって、どう思われますか。

竹内:僕が言うのもなんですけど、今の感想としては「なんとか、うまくまとまったな」という一言しかないです。行き当たりばったりで進めていったようなところもあるのですが、3本そろって見たときに、ひとつの作品として見られたので、よかったなと思っています。個人的には反省点もありますので、もし次に何かやる機会があれば生かしていきたいです。

――堀さんは、プロデューサーとして現時点のお気持ちはいかがですか。

堀:3年ぐらいかけてやっとかたちになりましたので、作品としてつくり終えた達成感が、まずあります。派手なアクションがあるような作品ではありませんが、盛りあがるべきところは盛りあがっていますし、各監督が伝えたいことはちゃんとでていますので、いい作品になったかなと。個人的にも、とても満足感があります。

竹内:企画の最初から携わっている堀さんは、作品への関わりが長かったですものね。

堀:ほんとに、いちばん最初の出会いからいましたから(笑)。初号(試写)で「やっと終わった」という満足感はありましたが、解放感はまだありません。このあと、公開に向けて皆さんに見ていただけるように頑張っていかないといけませんから。

――ちなみに、新海監督はご覧になっているのですか。

堀:新海監督自身の新作の制作で立て込んでいるので、まだですね。担当スタッフからは「大変見たがっていた」と聞いています(※6月取材時)。

――とくに「上海恋」は、新海監督はどんなふうに思われるのだろうというぐらいオマージュにあふれていましたので、どんな感想をもたれるのか楽しみにしています。

堀:(笑)。

【取材後、追記】堀:その後、ご覧になったと報告をうけました。7月17日のジャパンプレミア後には、新海監督から観賞ツイートがアップされました。

――最後に、それぞれのお立場から、作品の見どころや今後の展望を聞かせてください。

竹内:「小さなファッションショー」は、頑張っている姉妹のやりとりを見てもらうなかで、感じるところがあったらうれしいです。また、今の中国の街を描いていますので、そこも注目して見ていただけたらなと思います。

堀:CWFとして、各短編をつなぐアンソロジーの制作ははじめてでしたので、並行して制作がすすむなかで、どこをケアしていかなければいけないのかということを、今回かなり学ばせていただきました。今後も、小規模な作品をまとめたアンソロジーのようなものを、やっていける機会があったらいいなと思っています。

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詩季織々

詩季織々 6

【陽だまりの朝食】北京で働く青年シャオミンは、ふと故郷・湖南省での日々を思い出す。祖母と過ごした田舎での暮らし、通学路で感じた恋の気配や学校での出来事...子供時代の思い出の傍には、いつも温かい...

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