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特集・コラム 2021年5月8日(土)19:00

【明田川進の「音物語」】第49回 テープオーディションで分かる新人養成の幅

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前回はオーディションの外枠の話をしましたが(https://anime.eiga.com/news/column/aketagawa_oto/113347/ )、今回は実際のオーディションで僕がどんなところを見ているのかをお話したいと思います。

僕の場合、現場に来てセリフを演じてもらう第一段階で、相当の部分がジャッジできてしまうことが多いです。事前に渡した作品の資料をもとに、その人がどのように役や作品の世界観をとらえて演じるかが、もっとも重要なんですよね。第一声を聴けば、「あ、この人はちゃんと読みこんできているな」と分かることがほとんどです。そこからある程度候補を絞りこんで最終的に決めるときには、「実はこのキャラクターはこうなんですけれど」と伝えて、その人がそれを飲みこんでどれだけ変えてやってくれるかが決め手になります。僕はそうしたときに“学習能力”という言い方をよくしますが、そこでパッと表現を変えることができる力や、そうしようとする姿勢があるのが大事です。音響監督としては、シリーズとして継続してやっていくなかで、きちっとやりきってもらえるかどうかも大きなポイントになります。選んだ結果は、ディレクションするこちらにあとで返ってきますから。

今は機材が進化したこともあり、自分で録音した音声データを渡すテープオーディションが圧倒的に増えてきました。昔のオーディションではテープオーディションはまずなくて、僕がOVA「銀河英雄伝説」の音響監督をやっているときに舞台出身の役者さんにでてもらいたいけれど時間がとれないときには、稽古場や楽屋まで伝助(携帯用の録音機)をかついでいって録らせてもらったこともありました。

テープオーディションでは、声優プロダクションが新人を幅広く養成しているかどうかで大きな違いがでることがあります。音響制作会社から各プロダクションに「こんな作品でこんな役があります」と話してテープが送られてきたとき、毎回同じ人をエントリーするところと、役にあう違った人をマネージャーが選んでくるところがあって、選ぶ側としては後者のプロダクションのほうが助かります。言ってみればプロダクション内で事前オーディションがあるということで、僕が某事務所でやっているジュニア向けの授業でも、マネージャーは授業の様子を見て各人の適性を把握しながら、テープオーディションの話があったときにこの子にしようと考えているはずです。僕自身、今はオーディションに関わることは少ないのですが、授業で面白い子がいたら、ウチの制作に「新しいジュニアでこんな感じの子がいるから、一回オーディションに呼んでみたら」と話すことがあります。

明田川 進

明田川進の「音物語」

[筆者紹介]
明田川 進(アケタガワ ススム)
マジックカプセル代表取締役社長、日本音声製作者連盟理事。日本のアニメ黎明期から音の現場に携わり続け、音響監督を手がけた作品は「リボンの騎士」「AKIRA」「銀河英雄伝説」「カスミン」など多数。

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