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特集・コラム 2018年10月27日(土)12:39

湯浅政明監督、森見登美彦との“気まずい話題?”に切り込む「初めて見た時…」

映画「夜は短し歩けよ乙女」を原作者はどう見た?

映画「夜は短し歩けよ乙女」を原作者はどう見た?

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湯浅政明監督による長編アニメ「夜は短し歩けよ乙女」が10月26日、第31回東京国際映画祭の特集企画「アニメーション監督 湯浅政明の世界」で上映され、湯浅監督と原作者・森見登美彦氏がTOHOシネマズ六本木ヒルズでのトークイベントに出席した。

森見氏の初期ベストセラー小説を映画化した本作は、大学生の“先輩”が“黒髪の乙女”との恋を進展させるため、「なるべく彼女の目に留まる」ことを目的とした「ナカメ作戦」を実行する姿をつづる。劇中で起こる事件や出会いを「一夜の出来事」として描くなど、原作小説とは異なる点があるため、この日は「原作者・森見氏は映画版『夜は短し歩けよ乙女』をどう見たのか」という話題を中心に語り合った。

湯浅監督が「そろそろ本題に入ろうかな」「森見さんが最初に(本作を)見たのは試写会の劇場で。そこで(本作の内容に)びっくりされたと聞いて……(笑)」と切り出すと、森見氏は、「ええ、びっくりしました(笑)。試写会で初めて(本作を)見て、すごくびっくりした。その後『森見さん、感想をお願いします』と言われて、何も言えなかった」と申し訳なさそうに振り返る。

司会の氷川竜介氏(アニメ・特撮研究家)に「驚いた理由」を問われた森見氏は、「原作とは違っていますからね。最後の場面はかなりダイナミックで、そういったところを劇場で見てびっくりしました」と説明。湯浅監督が「作った側としては(原作者の)承認を得たいので、『面白かったですか?』と聞くと『うーん……』。『大丈夫でしたよね?』と聞くと『うーん……』。みたいな(笑)」と試写直後の森見氏の反応を明かすと、森見氏は「試写会から帰る時に湯浅さんに申し訳ないことをしたなと思いました」と平謝り。「自分のなかで『これはこの形でいい』とかみ砕く消化期間、調整期間が必要でした。それはどんな映像化でも同じです。『四畳半神話大系』『有頂天家族』『ペンギン・ハイウェイ』でも、いずれの映像化でも消化期間・調整期間はいりました」と話し、「あれ以来、試写会には行かないようにしています(笑)。自分のなかで適切な距離を調整できるまでは、感想を言わされるような場には行くまい」と誓い、笑いを誘った。

「『湯浅さんが原作を勝手に変えた』とは、僕は絶対に言わない。湯浅さんが原作から想像したところも、全部を含めて湯浅さんの映画。だから、『原作通りにやってほしい』と僕が言っているように聞こえてしまったら、それは違います」と力説する森見氏。「以前に『四畳半神話大系』という作品を、湯浅さんにアニメ化していただいたのが僕にとっての転機」と続け、「最初に『四畳半神話大系』というアニメをああいう形で作っていただいたので、その後、僕の他の原作でアニメを作った方にも本気で作っていただけた。それは今でも思っていますし、感謝しています」と熱弁をふるった。

第31回東京国際映画祭は、11月3日まで六本木ヒルズ、東京ミッドタウン日比谷などで開催。

アニメハック編集部

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夜は短し歩けよ乙女

夜は短し歩けよ乙女 10

クラブの後輩である“黒髪の乙女”に思いを寄せる“先輩”は今日も『なるべく彼女の目にとまる』ようナカメ作戦を実行する。春の先斗町、夏の古本市、秋の学園祭、そして冬が訪れて…。京都の街で、個性豊かな...

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