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特集・コラム 2019年10月24日(木)20:00

第32回東京国際映画祭「ジャパニーズ・アニメーション部門」のご紹介 (2)

●日本アニメ映画の到達点

2018年から19年にかけて劇場公開された作品から、5作品を厳選しました。これは「現在のトレンド」をアピールする意味合いが強いです。
 「マスタークラス」の3作と合わせると、ちょうど平成の約30年分をスキップする結果となることで、歴史的な意味性が増しています。「30年かけて、3作から発展した潮流が集合離散しながら化学変化を起こした結果が最新作である」という風に観ていただけと幸いです。その流れを通じ、「動く絵を使って《映画》にしていく」という「日本アニメ映画共通の特徴」が、どこから来てどこへ行こうとしているのか、題材・表現・物語性の多様性の中から立体的に見えてくると思います。
 そして「日本映画全体」をフカンでとらえたとき、アニメがどういう企画の方向性を打ち出しているのか、映画としての先端をどのように切り拓いていこうとしているのか、そうした部分にもぜひ着目してほしいです。

○「若おかみは小学生!」(2018年/DLE、マッドハウス/高坂希太郎監督/原作:令丈ヒロ子)94分
 児童文学、成長物語の理想的な映像化として選出しました。スタジオジブリの主力スタッフだった高坂監督が、児童文学のロングシリーズからエッセンスを抽出。異界の友人からの助力を得ながら、温泉旅館の「おかみ」をやり遂げていく小学生おっこの「成長プロセス」は、まさにアニメーションでしか描けない「時間と空間の饗宴」であり、「映画的なるもの」なのです。
上映日 10月29日午後8時30分 スクリーン3 上映後トークあり(登壇者:高坂希太郎(監督))

○「海獣の子供」(2019年/STUDIO 4℃/渡辺歩監督/原作:五十嵐大介)112分
 ジュゴンに育てられた兄弟と女子中学生の出逢いに端を発する海の物語。絶妙な線による手描き作画と3DCGを融合させ、次なるステージへと高めた作品として選出しました。壮大で神秘的な映像感覚で、地球全体をひとつの生き物と見立てるダイナミズムはアニメーション表現ならではの魅力。濃厚なるビジュアルで“生命の神秘”や哲学の領域を表現した、意欲的な映画です。
上映日 11月2日午後4時55分 スクリーン3 上映後トークあり(登壇者:渡辺歩(監督)、秋本賢一郎(CGI監督)、小西賢一(作画監督))

○「きみと、波にのれたら」(2019年/サイエンスSARU/湯浅政明監督)96分
 昨年の第31回東京国際映画祭でも特集上映し、海外からの評価も高い湯浅政明監督の最新作。ひとりの女性の悲しい恋の結末と、死後の世界とつながる「奇跡」を通じ、ドラマ性豊かな再起の物語を描いています。舞台設定やストーリーは現実に寄せていますが、波や火を中心とする自由で奔放なアニメーション作画による“生命の根源”が、実写では難しい機微を紡ぎだしています。
上映日 10月30日午後6時35分~ スクリーン6 上映後トークあり(登壇者は公式サイト参照)

○「プロメア」(2019年/TRIGGER、XFLAG/今石洋之監督)111分
 エネルギッシュで奔放で、パワーにパワーをぶつける熱い作画とキャラクター性が満載の痛快アクションSF映画です。発火を生じさせる新人類バーニッシュと高機動救命消防隊の対立から始まり、事件は次第にエスカレート。不定形なエネルギーの固まり“炎”の動きを、物語の熱気と重ね合わせ、活性化させるお祭り感覚が魅力です。観客の発声で盛り上がる応援上映を予定。海外の観客との一体感が楽しめます。
上映日 10月30日午後8時55分~ スクリーン7 上映後トークあり(登壇者:今石洋之(監督)、中島かずき(脚本))

○「天気の子」(2019年/コミックス・ウェーブ・フィルム/新海誠監督)113分
 記録的ヒット作「君の名は。」の新海誠監督による最新作で、本作も興行成績を更新中です。雨続きの東京で、家出少年が晴天を呼ぶ少女と出逢う奇跡の物語。東京の無機質な都市を純粋で光に充ちたマジカルな世界に再定義する。現実の景観を映画に取りこみ、魅惑的に変える技法は「聖地巡礼ブーム」を招くほどになりましたが、独特の感性により「風景で語る」というレベルの代表作として選びました。
上映日 10月31日午前10時35分~ スクリーン3 上映後トークなし

●日本VFXの革新と拡張

1966年、怪獣ブームを巻き起こした本格特撮テレビ番組「ウルトラQ」から選りすぐりの放映回(4エピソード)と関係者の証言映像を上映し、生トークで掘り下げつつ、50年以上愛される「ウルトラマン」シリーズの原点に迫ります。「テレビまんがブーム」の中に登場したという点で、後世への影響も大きいです。また、ウルトラ怪獣や「ウルトラマン」に出演された俳優との触れ合いができるイベントも予定。
 35mmモノクロフィルムからの4Kリマスター、映画館のスクリーン上映は今回が初。「ゴジラ」の円谷英二特技監督が監修し、なおかつ本編・特撮とも東宝の映画スタッフが大勢関わっていることなどから、「テレビ映画」としても特筆すべきクオリティであることが、あらためて実感できるかと思います。

「ウルトラQ」ラインナップ

○第19話「2020年の挑戦」(誘拐怪人ケムール人登場) 本編25分特典67分
上映日 10月31日午後1時50分~ スクリーン3 上映後トークあり(登壇者:中島かずき(脚本家))

○第16話「ガラモンの逆襲」(隕石怪獣ガラモン登場) 本編25分特典70分
上映日 10月31日午後8時25分~ スクリーン3 上映後トークあり(登壇者:伊藤和典(脚本家))

○第14話「東京氷河期」(冷凍怪獣ペギラ登場) 本編25分特典66分
上映日 11月1日午後8時30分~ スクリーン3 上映後トークあり(登壇者:隠田雅浩(映画監督))

○第15話「カネゴンの繭」(コイン怪獣カネゴン登場) 本編25分特典71分
上映日 11月4日午後8時5分~ スクリーン3 上映後トークあり(登壇者:雨宮哲(アニメーション監督))

※上映後トークの登壇者、詳細は公式サイト まで。

ウルトラ怪獣の誕生「ウルトラQ」から「ウルトラマン」へ
11月4日午後2時~ 六本木ヒルズアリーナ(荒天中止) ゲスト(黒部進(俳優、「ウルトラマン」ハヤタ隊員役)、桜井浩子(俳優、「ウルトラQ」江戸川由利子役、「ウルトラマン」フジ・アキコ隊員役)、「ウルトラQ」の人気怪獣(カネゴン、ガラモン、ケムール人))

アニメハック編集部

第32回東京国際映画祭(TIFF2019)公式アニメ特集

[筆者紹介]
アニメハック編集部(アニメハック編集部)
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イベント情報・チケット情報

第32回東京国際映画祭 (TIFF) 2
開催日
2019年10月28日(月)
場所
六本木ヒルズ、EXシアター六本木 他(東京都)

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