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特集・コラム 2020年4月16日(木)19:00

【明田川進の「音物語」】第36回 伊藤かな恵さんとの対談(前編)勉強会から「しゅごキャラ!」主役に

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対談編最後のお相手は、伊藤かな恵さん。ジュニア時代に明田川さんの勉強会に参加した伊藤さんは、そこでの対応力を見こまれて「しゅごキャラ!」のオーディションに参加し、主役の日奈森あむ役に抜てきされます。和やかな雰囲気のなか、勉強会で明田川さんに教わったことや、伊藤さんも知らなかったオーディション裏話が語られました。

──お2人は、直近ですと映画「タマ&フレンズ~タマとふしぎな石像~」(2019年5月公開)でご一緒されています。

伊藤:はい。タマのママ役をやらせていただきました。

明田川:久しぶりにレギュラー陣が集まって、伊藤さんには新しいキャラクターとして登場してもらいました。伊藤さんとは、みんなでちょくちょく食事会をしていますが、仕事で会ったのはあれが最後ですね。

伊藤:お仕事の場では、お久しぶりだったと思います。

明田川:松風(雅也)さんとの対談のときにお話しましたが、僕は青二(プロダクション)でジュニア向けの勉強会をしていて、伊藤さんはその第1期生なんですよ。その後、勉強会のメンバーから1年で終わるのは寂しいという声がでて、有志で集まった人を中心に特別授業のようなことをしていまして。

伊藤:勉強会が終わってからも、こういうことを続けられたらと、私と同期の子や、まったく別のところからいらっしゃった人たちなど、みんなまぜこぜで集まって勉強する会でした。

明田川:数年前までは授業をしていましたが、みんなだんだん忙しくなって今は年に1、2回集まって食事をするというかたちで続いています。皆さん仕事の都合があるので、人数が集まったらやろうかという感じでですけれど。

──前半は、伊藤さんがジュニア向けの勉強会で明田川さんからどんなことを教わったのか伺えればと思います。第1期生には、伊藤さんの他、どんな方がいらっしゃったのでしょうか。

明田川:佐藤聡美さんも同期ですね。あと、宮坂(俊蔵)さんも同じかな。

伊藤:はい。

明田川:ジュニア向けの授業は今も続けていますが、第1期の人たちのインパクトは今振り返っても強いです。伊藤さん、佐藤さんともに青二塾の出身ではなかったのも印象的でした(※青二塾は、青二プロダクションが運営する声優養成スクール)。

──伊藤さんは、アミューズメントメディア総合学院のご出身ですね。

伊藤:はい。専門学校を出てから、青二に入っています。

──伊藤さんが教わっていたとき、何人ぐらいの授業だったのでしょうか。

伊藤:私の同期は21人いて、21人の授業でした。今は月1回のようですが、私たちのときはありがたいことに月2回やっていただいていました。

明田川:そうだったっけ。

伊藤:後輩の勉強会にお邪魔させていただいたときに「あ、2つに分けているんだ」と思ったのを覚えています。

明田川:ああ、そうか。人数が多くなったからクラスを2つにしたんですね。最近は30人前後のメンバーを2つに分けて、それぞれ月1回、約3時間の授業をしています。

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──当時の伊藤さんにとって、明田川さんの授業はいかがでしたか。

伊藤:もう何もかもが初めてで、「この期から勉強会ができるよ」と言われて、とにかく一生懸命でした。題材として台本と映像を事前にもらい、でもどの役を振られるかは当日まで分からないんです。「すべての役をチェックしてきてください」と言われ、当日、授業の場で演じる役を指名されるという形式でした。毎回とにかく必死に向き合っていたというのが素直な気持ちです。
 勉強会では男性役を振られることもありましたが、そこで声を変えることなどを気にするより、キャラクターの気持ちの流れを意識するのがいちばん大事で、そこを表現したいという思いで演じていました。明田川さんは明確に言葉にはされませんでしたが、私はそこが大事なことだと思うようになったといいますか。演じるキャラクターのなかには、自分を表現するのが苦手な子がいて──。

明田川:うん。

伊藤:その子が、自分の思いを言葉にしたいけれど声には出せないのを表現するもどかしさのようなものも印象的で、台本にある「……」を、どう表現したらいいかすごく考えました。心のなかにはいろいろな言葉があるんだろうけど、それを出せない子ですから。
 専門学校のときは「とにかく(表現を)出せ」と言われていたんですよね。「出してひっこめることはできるから、まず自分のやりたいことを出しなさい」と言われていましたが、その子のような“出さない芝居”に直面すると、このキャラクターは何を考えているんだろうと、より深く考えるようになって、そういう時間がすごく大事なんだなと思い……そんないろいろなことを学べた1年でした。

明田川:ああ、成長したなあ。

伊藤:先生にそう言われると照れますね(笑)。

明田川:連載のなかでも一度お話したことがありますが(https://anime.eiga.com/news/column/aketagawa_oto/106956/ )、せっかくこういう勉強会をやるのならば、本番のスタジオに入ったときと同じ状態で演じましょう、というのが趣旨でした。また、男性が女性キャラクター、女性が男性キャラクターを演じるケースもつくることで、声色をつくることよりも、まずそのキャラクターの思いをちゃんとマイク前で表現してほしいとも考えていました。そうした狙いを、伊藤さんはくみとってくれていてうれしいですね。

──その勉強会のなかで伊藤さんは目を留められ、明田川さんが音響監督を担当する「しゅごキャラ!」のオーディションに誘われたそうですね。

明田川:新人の子の場合、こちらから「もう少し、こうやってほしい」と言っても、本人は変えているつもりでも同じパターンになってしまいがちなんですよ。伊藤さんは、こちらのジャッジに合わせて一生懸命変えて芝居をつけているのが分かったので、「あ、これだったら」とオーディションに誘ったんです。

──「芝居を変えて」と言われて変えるのは、それだけ難しいことなのですね。

明田川:よほどのことがないかぎり、なかなか変わらないです。伊藤さんは、こちらが言ったことをうけて、その場で自分なりに変えて芝居をし直すことが最初の頃からできていたので、おっと思っていました。

──伊藤さんは、勉強会の最中にオーディションを受けたことを覚えておられますか。

伊藤:はい。ただ、当時の私は明田川さんが声をかけてくれたからとは知りませんでした。マネージャーさんからオーディションだと言われて、まず事務所でテープを録って……たしか私が事務所に入って2回目のオーディションだったと思います。なので、とにかく頑張ろうという気持ちで取り組みました。その後、それが通ったよと言われて、スタジオオーディションを受けました。

明田川:最初はテープオーディションで何人かにしぼりこんで、そのなかからスタジオに来てもらったんです。そこで僕は伊藤さんがいいと思ったんだけれど、伊藤さんが新人だったので、もう少し名前の知っている人を選んだほうがいいのではないかという声もでたんですよね。それならばと、今度は名前のある方でスケジュールが空いている人を候補に入れつつ、そのなかにまた伊藤さんも再度入れたんですよ。そうして選びなおしたら、また伊藤さんに決まって(※日奈森あむ・ダイヤ役)。

伊藤:ああ、よかったです(笑)。

明田川:テープオーディションをふくめるとトータルで何百人、実際にスタジオに来てもらった人も50人以上いたと思います。そのなかでみんな伊藤さんがいいという話になりましたので、僕も「オーディションに誘ってよかったな」と。伊藤さんは、スタジオオーディションに二度呼ばれて不思議に思ったかもしれないけれど、1回目のときに「決定しました」とは言われてないはずですよね。

伊藤:はい。何も知らないまま受けていました。

明田川:マネージャーは、伊藤さんが受かると思っていなかったんじゃない?

伊藤:担当マネージャーさんは、「ええっ!?」って感じで、すごく驚いていました(笑)。

──オーディションの手ごたえは、どうだったのでしょうか。

伊藤:スタジオに入ったら原稿が何枚かあって、「じゃあやってください」と言われてセリフを言いはじめたら途中で「そこまででいいです」ととめられたんです。とめられることなんてあるんだと思って、「あ、もう落ちた」と思いながらスタジオをでたのを、よく覚えています。

明田川:途中でとめたのは、伊藤さんがどういう人で、どういう声を出して演技をするかよく分かっていたからです。他の人はほとんどが初めてですから、「ちょっとこうなりませんか」とかいろいろ言いますが、伊藤さんの場合、勉強会でそのあたりはよく分かっていて、それを監督やスタッフの人たちに見てもらうのが大きかったんですよね。

明田川 進

明田川進の「音物語」

[筆者紹介]
明田川 進(アケタガワ ススム)
マジックカプセル代表取締役社長、日本音声製作者連盟理事。日本のアニメ黎明期から音の現場に携わり続け、音響監督を手がけた作品は「リボンの騎士」「AKIRA」「銀河英雄伝説」「カスミン」など多数。

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