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特集・コラム 2019年11月26日(火)20:00

【まなおのアニメ感想戦!】第12回 全人類に勧めたい「映画スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて」

阿佐ヶ谷ロフトAでご一緒した皆様。手前左から前Qさん、数土さん、藤津さん

阿佐ヶ谷ロフトAでご一緒した皆様。手前左から前Qさん、数土さん、藤津さん

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◆今年の「一生のお願い」
 へんなマイルールがありまして、1年に1回だけ、映画を観てもらうための「一生のお願い」を自分に許可しています。2017年は「KUBO -二本の弦の秘密-」。2018年は「若おかみは小学生!」。そして11月頭に行われた藤津さん、数土さん、前Qさんとのアニメ映画のトークショウ――幸運にも、アニメハックのライター繋がりでお声がけいただきました――で熱く語っているうち、ついつい今年も使ってしまいました。それが「映画スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて」です。

◆こんなにすごいの!? 最新のプリキュア映画
 本作のプリキュアは宇宙が舞台。ゲストキャラは宇宙で出会った星のかけらを模した未確認生命体・ユーマ。ユーマは造形も不安定で言葉も通じません。特に、主人公ひかるの親友ララはうまくいかなさを抱えますが、あるときから歌を通じて想いを交差させ、すこしずつ「友だち」の関係を築いていきます。終盤まで明かされないユーマの正体。それは衝撃の展開を呼び、プリキュア映画としては異例の、ラスボス戦ではないクライマックスで飾ることになります。
 展開の妙だけではありません。ふとした表情や構図から、キレのある熱いバトルアクション。幻想的で誰もが憧れる変身シーン。本作最大のテーマである音楽の圧倒的な輝き。一瞬でも集中力を切らしたくない衝撃の71分間。予想をはるか上回る青天井の満足度でしたが、洗練された魅力の数々からは様々な気づきがありました。

◆プリキュアにはなれない? “女の子”のヒーロー
 私がはじめてプリキュアに出会った“少女”時代は、がっつりショートヘアにTシャツ短パン。いや、捻くれは自覚していましたが、当時の将棋界は今ほど女性も多くなく、男の子とだけ過ごして強くなるならむしろこれでいい! と割り切っていました。だからこそ、かわいくキラキラでピンクの子がセンターにいるプリキュアたちの存在には、ちょっと負い目を感じるところがあったのです。
 「女の子だって暴れたい」のキーワードから始まったプリキュアシリーズでは、世界に偏在するジェンダーの課題や、そこへのメッセージ性が節々からうかがいしれます。彼女たちは女の子の壁を破るヒーローです。ゆえに、女の子の枠の中で女の子らしい。自分の目線では(好きだけど、私はこうはなれないなぁ……)と、寂しい部分もありました。

◆属性なんて関係ない。自分らしく、「想い」の強さで乗り越える
 そのイメージで観た「スター☆トゥインクルプリキュア」ですが、本作では、プリキュアの過半数が宇宙人。また、地球人のひとりキュアソレイユも日本人の母とメキシコ人の父を持っているそうで、各々珍しい境遇だと言えるでしょう。でも、実はこうしたひとりひとりの素性は、劇中で一切言及されないのです(私はあとから調べて知りました)。これは劇場版、つまりテレビシリーズの前提があるから説明不要……なのではない、ある種の徹底を感じました。こうした説明をあえて省くことで、好奇心や優しさ。迷って悩んで、それでも受け入れていく勇気……といった、性別も世代も問わない、普遍的に大切なものがより純粋に伝わってきたように思えます。
 誰が誰であるか関係なく友だちになっていくこと。そして――これは私がプリキュアに夢見ていたことだと気づいたのですが――「女の子」といった属性の枠を気にせず、ひとりひとりが自分らしく輝いてくれること。言うのは簡単でもあまりにも難しすぎる理想のかたちが、この映画の中でははっきり描かれていたのです。これまでの「女の子向け」「子ども向け」といった枠を軽々と越えていく、圧倒的な力を確かに感じました。

◆全人類のヒーローへ
 長らく女の子のヒーローだと思い込んでいたプリキュアでしたが、観賞後に真っ先に願った「全人類に観てほしい!」は文字どおりの意味です。
 こんなに大きな魅力が感じられるのも、私が知るのは一部ですが、これまでの55人(!)のプリキュアたちが連綿とシリーズを紡いできたからこそでしょう。「スター☆トゥインクル」はもちろん、これからプリキュアがどんな壁を越えていくのか、どんな新しい景色を見せてくれるのか。いっそう楽しみになる鮮烈な体験でした。

香川 愛生

まなおのアニメ感想戦!

[筆者紹介]
香川 愛生(カガワ マナオ)
日本将棋連盟女流棋士。15才でプロ入り後、女流王将2期獲得、現女流三段。受賞歴は女流最多対局賞・女流棋士賞など。ゲーム、コスプレなど、多彩な趣味を活かし将棋普及活動にもいそしむ。著書は「職業、女流棋士」(2018)。

作品情報

映画スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて

映画スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて 1

ある日突然、プリキュアの元にやってきた不思議な生き物ユーマ。言葉が通じないユーマに、ひかるとララは振り回されっぱなし・・・。ユーマと気持ちを通じ合わせる方法、それは<うた>!? <うた>を通じて...

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