2021年8月20日(金)19:00
【松尾Pの「ポンポさん」制作後記】第6回 森山洋さんの劇中ポスターデザイン
こんにちは。「映画大好きポンポさん」制作プロデューサーの松尾です。制作後記、第6回目は劇中ポスターデザインのお仕事についてご紹介します。
劇中ポスターデザインは森山洋(もりやまよう)さんにお願いしました。「メガロボクス」監督、「進撃の巨人」イメージボード担当としても知られるクリエイターです。平尾監督からポスターのイメージを森山さんに伝え、作成をお願いしました。ミスティア主演でゾンビもの、西部劇もの、マーティン主演で「ゴッドファーザー」的なもの、「タクシードライバー」的なもの……などなど、おおまかな概要を伝えただけで、細かい打ち合わせはなしで。というのも森山さん、平尾監督、私松尾は3人ともマッドハウス出身で若い頃からの仲間でもあり、彼が相当映画にくわしい人であること、細かく説明しなくてもくみとって絵にしてくださることは分かっていて、シンプルなお伝えの仕方でOKだったのです。
森山さんとしては、パッと見てどんなジャンルの映画か分かるポスターを目指したそうです。下絵はすべて鉛筆で描きおこし、あとはすべてタイトルロゴ、スタッフクレジットにいたるまでPhotoshopで完結。ミスティア、マーティンの映画ポスターは数種あるのでそれぞれちょっと違う雰囲気がでるように配慮したとのこと。以下、各ポスターのご紹介を。
「ZOMBIEZARRE」
現代的なゾンビ映画を! というオーダーをもとに着手したそうです。ゾンビ映画なんだけどなぜかゾンビたちがリボルバーを持ってますね。ミスティアの後ろにはゾンビたちと謎の戦闘車両が……! ものの配置やバックで燃え盛る炎は「グラインドハウス」以降のタランティーノ映画ポスターを想起させます。
(C)2020 杉谷庄吾【人間プラモ】/KADOKAWA/ 映画大好きポンポさん製作委員会
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「GUNS AKIMBO」
片目の女ガンマンが主人公の西部劇。GUNS AKIMBO=二丁拳銃の意です。二丁拳銃の女ガンマンが荒くれものたちに復讐する話……なんでしょうか。少しセクシーなガンマンのアイデアは「女ガンマン 皆殺しのメロディ」から。そのほかテキサス感のある風景には奴隷制度を彷彿とさせる鎖も。画面構成は指名手配~WANTED感もあってより西部劇感を演出してますね。
(C)2020 杉谷庄吾【人間プラモ】/KADOKAWA/ 映画大好きポンポさん製作委員会
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「ACROSS THE 8TH DIMENSION」
今回のポスターの中で一番苦労したというSFモチーフの1本。SFでB級感を出すのに苦労した結果、宇宙と恐竜が混ざっていたらB級ぽくなるんじゃないか? と、ちょっと変なSF感がほしくて「バーバレラ」「恐竜100万年」のテイストも入っているそうです。タイトルは「バカルー・バンザイの8次元ギャラクシー」から、ミスティアの宇宙服は「謎の円盤UFO」をモチーフに。宇宙船で8次元に迷い込んでしまった未来人がたどり着いた場所は恐竜が住む古代の惑星と宇宙の間だった……これで1本つくれそうですね(笑)。
(C)2020 杉谷庄吾【人間プラモ】/KADOKAWA/ 映画大好きポンポさん製作委員会
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「MIDNIGHT EMPIRE」
「ゴッドファーザー」をモチーフにした、マーティン・ブラドック主演の1本。ニューヨークの摩天楼に浮かぶ暗黒街の顔役。タイトルロゴから上に伸びていくラインは銃のデザインになっていてカッコイイですね。ペーターゼンプロデュース作品のため、クレジットもペーターゼン時代の仕様に変更されています。
(C)2020 杉谷庄吾【人間プラモ】/KADOKAWA/ 映画大好きポンポさん製作委員会
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「RODEO SHOW」
マーティン・ブラドック主演、「風と共に去りぬ」を彷彿とさせる、文芸歴史映画感がある1本。スタジアムで行われている、ロデオショウで暴れ馬に乗っている主人公を描いています。マーティンのイメージは、ここではロバート・レッドフォード。
(C)2020 杉谷庄吾【人間プラモ】/KADOKAWA/ 映画大好きポンポさん製作委員会
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「BACK ALLEY」
マーティン版「レオン」か? と思いきや、「タクシードライバー」のイメージとのこと。1970年代ぽい雰囲気を意識して、当時のニューヨークの裏路地=BACK ALLEYを舞台に、ベトナム帰還兵が訳ありで子どもを引き連れて逃亡するような映画なんでしょうか。ライフイズバックアレイの言葉がさらに想像力をかきたてます。
(C)2020 杉谷庄吾【人間プラモ】/KADOKAWA/ 映画大好きポンポさん製作委員会
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劇中劇「MARINE」「MEISTER」のポスターのほかに、ペーターゼンフィルムスタジオやポンポさんのオフィスに貼られている映画ポスターもお願いしています。
(C)2020 杉谷庄吾【人間プラモ】/KADOKAWA/ 映画大好きポンポさん製作委員会
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(C)2020 杉谷庄吾【人間プラモ】/KADOKAWA/ 映画大好きポンポさん製作委員会
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(C)2020 杉谷庄吾【人間プラモ】/KADOKAWA/ 映画大好きポンポさん製作委員会
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森山洋さんのお仕事いかがだったでしょうか。劇中のポスターなれど、タランティーノ監督の「グラインドハウス」フェイク予告編に通じる遊びがあって、「ポンポさん」の世界観を豊かにしてくれるお仕事だったと思います。本編を見る機会に注目していただけたらうれしいです……!
松尾Pの「ポンポさん」制作後記
[筆者紹介]
松尾 亮一郎(マツオ リョウイチロウ) 1973年生まれ。株式会社CLAP代表取締役プロデューサー。1999年マッドハウスに入社。プロデューサーとしてテレビアニメ「BLACK LAGOON」、映画「マイマイ新子と千年の魔法」などを担当。退社後は映画「魔女っこ姉妹のヨヨとネネ」、映画「この世界の片隅に」で制作プロデューサーを担当。「映画大好きポンポさん」はCLAPでアニメーション制作を担当した。
作品情報
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敏腕映画プロデューサー・ポンポさんのもとで製作アシスタントをしているジーン。映画に心を奪われた彼は、観た映画をすべて記憶している映画通だ。映画を撮ることにも憧れていたが、自分には無理だと卑屈にな...
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