2021年6月24日（木）19:00

【松尾Pの「ポンポさん」制作後記】第3回　越阪部ワタルさんの2Dデザイン（後編）

こんにちは。「映画大好きポンポさん」制作プロデューサーの松尾です。制作後記第3回は越阪部さんの2Dデザイン後編です。

本作ではシーンの臨場感を演出するため、パーティー会場や酒場など場面に応じて、ありとあらゆる貼り込みデザインを作成していただきました。

1．スケボーデザイン
監督こだわりのスケボーデザイン。一瞬しか出ないんですがどうしても必要！　ということで越阪部さんにデザインしてもらいました。カッコイイ。

イメージを拡大

2．ワインエチケット
パーティー会場などで目にすることができるワインラベル「Opus Nyan」！　酒場の缶ビールには「Nyadｗeiser」が。

イメージを拡大

3．雑誌の表紙デザイン
ポンポさんの部屋の奥に設置された雑誌置き場の表紙デザイン。前回発注点数約140点と書きましたがこういったデザインを合わせるとものすごい数になりますね。

イメージを拡大

4．広告ポスターデザイン
アパレルブランド「Nyalap」のポスターデザイン

イメージを拡大

5.英字新聞
「MEISTER」劇中の英字新聞

イメージを拡大

これらのデザインは越阪部さんにお願いするさい、事前の仕込みに時間をかけて準備したものも多数ありました。文章まわりは文芸担当の武井風太、山本拓、設定制作の西川真剛で原文を作成。監督が脚本、絵コンテで思い描いた内容をモチーフに各位で知恵をしぼってつくりあげてもらいました。

アニメライターで、時にテレビシリーズの脚本も担当する武井さんには劇中作「MARINE」や「MEISTER」の脚本原文や、ジーンくんの映画ノートの内容など、相当数の文面を作成してもらいました。社内企画スタッフである山本くんにはウェブサイトなどのアイコンの絵のプランニングや、「ウォーク・オブ・フェーム」の名称案などデザインの元になるプランを多数作成してもらっています。設定制作の西川くんには文章まわりほか、2Dデザイン発注全般の管理をお願いしました。

翻訳全般はハリウッドで映画制作経験があり、現在は海外で活躍している田近昌也さんにお願いしました。ハリウッドの人たちが見ても齟齬（そご）がないようにしたかったので、その検証も含め、本作を支えてくれた功労者の1人です。

ナタリーの履歴書

イメージを拡大

履歴書ひとつとっても日本とは書式も考え方も違うので大変助かりました。ナタリーの履歴書にはなぜ写真がないのか？　アメリカでは履歴書は自作するものであり、写真を貼る欄もないためです。実は当初、日本式の履歴書をモチーフに作成していたのですが、田近さんとのすり合わせにより、現在のカタチに落ち着いています。

平尾隆之と今井剛が語る「映画大好きポンポさん」映像編集の世界（前編）

松尾Pの「ポンポさん」制作後記

[筆者紹介]
松尾亮一郎（マツオリョウイチロウ） 1973年生まれ。株式会社CLAP代表取締役プロデューサー。1999年マッドハウスに入社。プロデューサーとしてテレビアニメ「BLACK LAGOON」、映画「マイマイ新子と千年の魔法」などを担当。退社後は映画「魔女っこ姉妹のヨヨとネネ」、映画「この世界の片隅に」で制作プロデューサーを担当。「映画大好きポンポさん」はCLAPでアニメーション制作を担当した。