2016年8月5日(金)19:00
ドラマを魅せるフル3DCGアニメへの挑戦 TVアニメ「正解するカド」村田和也総監督&野口光一プロデューサーインタビュー前編
(C) TOEI ANIMATION/KINOSHITA GROUP/TOEI
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長らく謎のベールに包まれていた、東映アニメーションによるフル3DCGテレビアニメ「正解するカド」の放送時期が2017年に決定し、そのストーリーが明らかになった。また、コミックマーケット90の8月12、13日に出展される東映アニメーションブース(企業ブース No.2553)では「『正解するカド』スタッフ本」が発売される運びとなっており、これが呼び水となり、同作に対する期待が加速度的に高まっていくだろうことは想像に難くない。
今回はそんな「正解するカド」で制作を統括する村田和也総監督と、東映アニメーションのプロデューサー・野口光一氏を訪ね、話を聞いた。前編ではフル3DCGテレビシリーズ制作の裏舞台に、後編では謎めいたストーリーの核心に迫っていく。
――まずは「正解するカド」企画始動の経緯から教えていただけますか?
野口:一迅社「Febri」の編集長・串田誠さんから、(今作の脚本を担当する小説家の)野﨑まどさんを紹介されて「know」を読んだのが、ことのはじめです。とてもおもしろかったので、ハヤカワ文庫さんにお願いして、野﨑さんとお会いする機会を設けてもらい、「オリジナルの作品を作りませんか?」とお話させていただきました。それが2014年の2月のことで、「楽園追放」公開前だったこともあり、「楽園追放」とはまったく違う方向性の作品を模索していたころです。
当初SFであることは決めていました。ただ主人公は女の子の予定だったんですが、いくつか野﨑さんから上がってきたプロットのうち、「正解するカド」がとてもおもしろかったので、変更になりました。
――村田総監督は、どのような経緯で本作への参加が決まったのですか?
村田:串田さんを通して、野﨑さんから「今度やる企画で監督をやってほしい」と頼まれたのがきっかけでした。両名ともに、かねてより親交がありましたので。ところが僕は別の作品の立ち上げに携わっていたこともあり、作品の監督をお引き受けするのは難しかった。そこで、先行して制作されるプロモーションビデオだけということで作品に参加することになりました。でも、PVを作る期間中に、本編全体のキャラクターデザインや脚本などをほとんどチェックすることになってしまったので、「本編とは無関係です」とは言えなくなってしまって…(笑)
野口:それを狙っていたところはありましたね(笑)。野﨑さんから「ぜひ村田さんに」と熱望されていたので、なんとか本編にも参加してもらいたかったんです。
村田:PVの制作を通じて、作品全体の方向性を決めることになった以上は、それについての責任は負う必要があるだろうなと(笑)。ただ実質上はベッタリ現場に張り付くことも出来ないので、実作業を統括する監督を別に置いてもらい、僕は総監督としておおまかな方向性を監修するという形に落ち着きました。
――今作はアクションではなく、人間ドラマを重視したストーリーになるようですね。東映アニメーション発のフル3DCG作品としては「楽園追放」とは異なる切り口ですが、どうして新たなチャレンジを?
野口:同じことを2回やると、失敗しやすくなるみたいなので(笑)。制作スタジオが「楽園追放」のグラフィニカから、東映アニメーションに変わるということもあり、(アクションよりも)ガッツリ「ドラマ」を見せることに挑戦するほうがいいんじゃないかと思いました。
「楽園追放」が封切られた2014年前後は、3DCGアニメにとって、ひとつの節目でした。ポリゴン・ピクチュアズさんの「シドニアの騎士」や、サンジゲンさんの「蒼き鋼のアルペジオ‐アルス・ノヴァ‐」が放映され、白組さんの「STAND BY ME ドラえもん」も公開されています。おかげで、超えるべきライン――視聴者に納得していただけるであろう基準が明確になりました。
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