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特集・コラム 2022年5月14日(土)19:00

【明田川進の「音物語」】第61回 東映動画と虫プロの関係、大塚康生さんがジープで草野球にきた記憶

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「鉄腕アトム」の放送がはじまった1963年に僕が虫プロに入社した話を以前しました(https://anime.eiga.com/news/column/aketagawa_oto/106621/ )。そんなこともあって、虫プロと東映動画の歴史には昔から興味があります。

虫プロは、手塚治虫さんが「西遊記」で東映動画に呼ばれたことをきっかけにつくられましたが、そのときに付き合いがあった人が多く参加しています。坂本勇作さん、紺野修司さん、ギッちゃん(杉井ギサブロー氏の愛称)、りんたろう監督、石井元明さん――昨年亡くなった山本暎一さんのようにおとぎプロでアニメーションをやっていて虫プロにきた方もいましたが、ほとんどが東映動画の人たちでした。当時、大手の会社でアニメーションをきちんとつくっていたのは東映さんしかなかったので当然なわけですが、手塚さんは人を引きぬきすぎて、おそらく東映動画から一時出入り禁止みたいなことになったんじゃないかと思います。

東映動画と虫プロは、距離的にすごく近いところにありました。そんなこともあって僕が制作進行のときはアニメーターが足りないからと、東映動画の門の前で待って、でてくるアニメーターに声をかけたこともありました(笑)。そのときには東映動画出身の方に仲介にたってもらい、話を聞いてくれる人がいたら、そのまま喫茶店に入ってカットをお願いするなんてことを何度かやった覚えがあります。

虫プロ時代は仲間うちで草野球などよくしていたのですが、そのときも元東映動画の人が誘って現役の東映動画の人もきていました。そのひとりに、昨年亡くなった大塚康生さんもいました。ギッちゃんと仲がよくて、愛車のジープに乗ってやってきたのを覚えています。材木が積みあがっているところをジープで登って見せてくれて驚かせてくれました。

大塚さんと仕事で接点をもったのは、グループタック時代の「氷の国のミースケ」(1970)が最初です(編注)。演出と作画監督をしていたギッちゃんから「電話しておくから、この部分はぜひ大塚さんにやってもらってよ」と紹介されて原画を描いてもらいました。エフェクトや動きの部分が抜群だからとアニメーターの間で評判で、グループタック時代にここはぜひ大塚さんにとピンポイントでお願いしたことが何度かあったと思います。

編注:「氷の国のミースケ」は、ヤマハエレクトーン教室の生徒募集用に制作された短編アニメ。手塚プロダクションの公式チャンネルで、冒頭部分が公開されている。大塚康生氏はノンクレジットで参加している模様。

明田川 進

明田川進の「音物語」

[筆者紹介]
明田川 進(アケタガワ ススム)
マジックカプセル代表取締役社長、日本音声製作者連盟理事。日本のアニメ黎明期から音の現場に携わり続け、音響監督を手がけた作品は「リボンの騎士」「AKIRA」「銀河英雄伝説」「カスミン」など多数。

作品情報

鉄腕アトム(1963)

鉄腕アトム(1963) 0

21世紀の未来世界で、十万馬力等7つの威力を持つロボット少年アトムが大活躍する物語。日本初の国産テレビアニメシリーズとして記念すべき作品。

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