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特集・コラム 2019年2月15日(金)19:00

【まなおのアニメ感想戦!】第3回 ちいさくても壮大!ストップモーションアニメの世界

(C) 「ちえりとチェリー」製作委員会

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◆私とストップモーションアニメ

前回紹介した「KUBO/クボ 二本の弦の秘密」 がきっかけで、映画そのものはもちろん、ストップモーションアニメというジャンルにも興味が湧きました。

いわゆる「コマ撮り」という手法で取られるストップモーションアニメは、ちょっとした表情や動きを表現するのにも膨大な時間や手間がかかるそう。繊細でこだわりに溢れたアナログの世界という意味で、将棋にも近しい魅力を感じてしまっているのかもしれません。

かれこれ16年以上将棋に触れてきましたが、それでもトップ棋士同士の極められた応酬を目の当たりにすると、同じ将棋とは思えない……と愕然とすることも多々あります。映像の世界でも、想像を絶する途方のない細かなつくり込みを見せつけられると、狂気にも似た執念に心が震えあがります。

◆心に残った作品

そうした意味で昨年印象的だったのは、以下の2作品です。

・「犬ヶ島」
 犬VS犬嫌いの小林一族の壮絶な争いを題材に現代の社会問題も織り交ぜた異色の作品。アカデミー賞にもノミネートされました。

・「ぼくの名前はズッキーニ」
 悲痛な経緯で孤児院に移り住んだ少年の新たな生き方が描かれます。

いずれも独特の世界観で、時に目を逸らしたくなる残酷な場面もありましたが、パペットたちの愛らしく繊細な表情と所作とで絶妙な均衡が保たれていて、その危ういバランスに目が離せなくなってしまいます。見ているときは不思議でしたが、CGアニメと違い実物が在ることによって、より儚く、より尊く感じられて、見逃してはいけないという想いが強まるのかもしれません。
 技法面でも知れば知るほど奥が深いジャンルで、物語に没頭したあと、ストップモーションだったことを思い出して、どんな風に、どんな思いで作られたのか? 何度でも感想戦が楽しめる魅力が潜んでいると思います。

◆注目のストップモーションアニメ

(C) 2017 San-X Co., Ltd. All Rights Reserved

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今後もたくさんのストップモーションアニメが公開されるので、注目作品を紹介します。興味が湧いたらぜひ見てみてくださいね。すてきな作品に巡りあえますように。

・「ちえりとチェリー」(2月15日公開)
 引っ込み思案で夢想の世界に心を閉ざすちえりと、星野源さん吹き替えるうさぎのぬいぐるみ・チェリーの物語。思わず抱きしめたくなる、ぬくもりと愛しさいっぱいの作品。

・「リラックマとカオルさん」(4月19日配信開始)
 Netflixで全世界独占配信。絶対かわいい注目作。

・「Missing Link」(2019年米国公開)
 スタジオLAIKA最新作。日本公開が待ちきれないので、できればアメリカに見に行きたい……。

・「Pinocchio」(2021年製作予定)
 なんとギレルモ・デル・トロ監督が名作ピノッキオを手がけます! 興味と、ある種の不安? でいっぱいですね。

香川 愛生

まなおのアニメ感想戦!

[筆者紹介]
香川 愛生(カガワ マナオ)
日本将棋連盟女流棋士。15才でプロ入り後、女流王将2期獲得、現女流三段。受賞歴は女流最多対局賞・女流棋士賞など。ゲーム、コスプレなど、多彩な趣味を活かし将棋普及活動にもいそしむ。著書は「職業、女流棋士」(2018)。

作品情報

ちえりとチェリー

ちえりとチェリー 1

ちえりは小学6年生の女の子。幼い頃に父を亡くし、母親と二人暮らし。そんなちえりの唯一の友人は、蔵で見つけたボロボロのぬいぐるみ“チェリー”で、ふたりはいつも一緒にいた。ある日、久しぶりに祖母の家...

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