2021年6月5日（土）19:00

【松尾Pの「ポンポさん」制作後記】第1回　ニャリウッド俳優の衣装デザイン

はじめまして。劇場アニメ「映画大好きポンポさん」制作プロデューサーの松尾です。この場をお借りして、「映画大好きポンポさん」制作の舞台裏をご紹介していきます。

「映画大好きポンポさん」はニャリウッドという架空の映画の都で実写映画を製作している人々を描いている作品。本作では実写映画世界を描くにあたって、工夫したり取り入れたりしたことが多々あります。今回はそのなかでも衣装デザインについて取りあげたいと思います。

「アニメーターが考えるより本職の人に相談するのがいちばんでしょ？」というキャラデザイン担当、足立慎吾さんの要望もあり、実写映画世界の臨場感を演出するために衣装デザイン専門のスタッフに参加してもらいました。

衣装デザインは監督助手の三宅寛治くんの紹介で舞台中心に衣装デザインを担当されている久保薗美鈴さんにお願いしました。ニャリウッドで活躍している俳優さんたちはシーンによってどういった服をチョイスするのか？　平尾隆之監督から着せ替えの可能性のあるシーンをご説明し、シチュエーションと他キャラクターとの色のバランスを考慮しながら進めていきました。

ミスティアさんはパーティー会場ではどういった装いになるのか？　キーになるイメージを受けて衣装デザインの久保薗さんからイラストと生地感などをご提案いただき、その提案が固まったところで更にアニメーターでキャラデザイナーでもある朝来昭子さんにお願いして久保薗さんのこだわりをアニメーションにおけるデザインにうまく落としこんでもらいました。

着せ替えの対象になったのはジーンくん、ナタリー、ミスティアさん、マーティン・ブラドックの4人。監督であるジーンくんはアシスタントの普段着から、撮影時の衣装など。パーティー会場の服装ではジーンくんのキャラが地味過ぎて監督なのにバイト生に見えてしまって大変でした。ナタリーは活発な女の子らしい服装のバリエーション。ミスティアさんはニャリウッド女優らしい変貌ぶりなのでぜひ映画館でも確認してもらえたらうれしいです。

舞台衣装の久保薗美鈴さんによる、デザイン元絵をご紹介します。デザインだけでなく、色や布の質感もレクチャーいただきながら進めました、

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下が衣装デザインをもとにおこしたキャラデザイン。着せ替えのデザインはアニメーターの朝来昭子さんにお願いしました。

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平尾隆之と今井剛が語る「映画大好きポンポさん」映像編集の世界（前編）

松尾Pの「ポンポさん」制作後記

[筆者紹介]
松尾亮一郎（マツオリョウイチロウ） 1973年生まれ。株式会社CLAP代表取締役プロデューサー。1999年マッドハウスに入社。プロデューサーとしてテレビアニメ「BLACK LAGOON」、映画「マイマイ新子と千年の魔法」などを担当。退社後は映画「魔女っこ姉妹のヨヨとネネ」、映画「この世界の片隅に」で制作プロデューサーを担当。「映画大好きポンポさん」はCLAPでアニメーション制作を担当した。